「住宅購入では、どんな税金がいくらかかるのだろう」
多くの方が気にするのは、購入時に払う税金です。
ところが実際に計算すると、購入時は約29万円。
一方、購入後に毎年かかる固定資産税は、35年で約852万円になります。
本当に効くのは、買ったあとの税金でした。
- 購入時にかかる税金は約29万円(4,000万円の新築の場合)
- 購入後の固定資産税は年25.1万円。35年で約852万円です
- 新築住宅の不動産取得税は、軽減措置でゼロになることが多くあります
- ただし軽減措置は申告しないと受けられません
こんな方に読んでほしい記事です
- 住宅購入でかかる税金の全体像を知りたい
- いつ、いくら払うのか把握しておきたい
- 軽減措置でどのくらい安くなるか知りたい
- 購入後の家計に税金をどう入れればいいか分からない
✍️ この記事の監修者
代表・監修者
伊藤 貴徳
伊藤FPオフィス 代表
千葉・東京エリアを拠点に、住宅購入前の家計相談・生命保険の見直し・ライフプラン設計を専門とする独立系FP。
家計全体の視点から、30〜40代の子育て世帯を中心に相談をお受けしています。
「借りられる額」ではなく「無理なく返せる額」から一緒に考えることを大切にしています。
【全体像】購入時29万円、購入後35年で852万円

住宅購入で確認したい税金は、主に4種類です。
| 税金 | いつかかるか | 納める先 | 4,000万円の新築の場合 |
|---|---|---|---|
| 登録免許税 | 登記のとき(購入時) | 国 | 約26.4万円 |
| 印紙税 | 契約書を作るとき(購入時) | 国 | 3万円 |
| 不動産取得税 | 購入後に一度だけ | 都道府県 | 0円(軽減後) |
| 固定資産税・都市計画税 | 購入後、毎年 | 市区町村 | 年25.1万円 |
※ 土地2,000万円+建物2,000万円の新築住宅(借入3,600万円・土地120㎡・住宅の床面積100㎡)を想定した試算です。固定資産税評価額は土地が時価の約7割、建物が建築費の約6割と仮定しています。実際の税額は物件の評価額・所在地・適用される軽減措置によって異なります。
この4つを、購入時と購入後に分けて並べてみます。
登録免許税+印紙税+不動産取得税
年25.1万円 × 35年
購入時の 29倍 が、購入後にかかります
※ 建物の評価額は経年で下がるため、実際の35年間の総額はこれより少なくなります。
住宅購入の税金といえば、購入時のものを思い浮かべがちです。
しかし家計に効くのは、毎年払い続ける固定資産税のほうです。
FP伊藤ご相談で「税金はいくらかかりますか」と聞かれたとき、私は必ず購入後の話から始めます。
購入時の29万円は、諸費用として資金計画に組み込めば済む金額です。
問題は、毎年25万円が35年続くこと。
月あたり約2.1万円ですから、住宅ローンの返済額に上乗せして考えておく必要があります。
ここを見落とすと、購入後に「思ったより苦しい」となります。
購入時にかかる3つの税金


① 登録免許税|登記のときにかかります
不動産の登記をするときにかかる国税です。
登記とは、「この土地や建物は誰のものか」「住宅ローンの担保に入っているか」を公的に記録する手続きです。
住宅購入では、次の3つの登記が発生します。
| 登記の種類 | 内容 | 本則の税率 | 軽減後の税率 | 税額(4,000万円の新築) |
|---|---|---|---|---|
| 所有権保存登記 | 新築建物を初めて登記する | 0.4% | 0.15% | 1.8万円 |
| 所有権移転登記 | 土地の所有者を移す | 2.0% | 1.5% | 21.0万円 |
| 抵当権設定登記 | 住宅ローンの担保を登記する | 0.4% | 0.1% | 3.6万円 |
| 合計 | — | 47.2万円 | 26.4万円 | — |
※ 建物の評価額1,200万円・土地の評価額1,400万円・借入3,600万円で計算した目安です。軽減措置には適用期限と要件があります。土地の売買による所有権移転登記の軽減は2029年3月31日まで、住宅用家屋に関する軽減は2027年3月31日までの登記申請が対象です(2026年8月時点)。最新の内容は国税庁のサイトでご確認ください。
万円
万円
20.8万円安くなります
これに司法書士への報酬(10万〜15万円程度)が加わります。
決済の日に、登記費用としてまとめて支払うのが一般的です。
② 印紙税|契約書にかかります
売買契約書と、住宅ローンの契約書(金銭消費貸借契約書)にかかる国税です。
収入印紙を貼って納めます。
| 契約書 | 記載金額 | 本則 | 軽減後 |
|---|---|---|---|
| 売買契約書 | 4,000万円 | 2万円 | 1万円 |
| 金銭消費貸借契約書(住宅ローン) | 3,600万円 | 2万円 | 2万円(軽減なし) |
| 合計 | — | — | 3万円 |
※ 不動産の売買契約書には印紙税の軽減措置がありますが、住宅ローンの契約書は対象外です。金額は記載金額の区分によって変わります。
③ 不動産取得税|軽減でゼロになることが多くあります
土地や建物を取得したときに、一度だけかかる地方税です。
千葉県や東京都など、都道府県に納めます。
計算は「固定資産税評価額 × 3%」が基本です(住宅と土地の税率。2027年3月31日までに取得した場合)。
ただし、住宅には大きな軽減措置があります。
| 計算 | 税額 | |
|---|---|---|
| 建物 | 評価額1,200万円 − 新築住宅の控除1,200万円 = 0円 | 0円 |
| 土地 | 評価額1,400万円 × 1/2 × 3% = 21万円 軽減額35万円が控除されるため | 0円 |
※ 建物は新築住宅で床面積50㎡以上240㎡以下などの要件を満たす場合、評価額から1,200万円が控除されます(認定長期優良住宅は1,300万円)。土地は宅地の課税標準の特例(評価額の1/2)と、住宅用土地の軽減があります。要件と金額は自治体や物件によって異なるため、県税事務所または不動産会社にご確認ください。
軽減措置がなければ104万円かかる計算です。
それが、要件を満たせばゼロになります。
ただし、中古住宅では築年数や耐震基準によって控除額が変わります。
建物の評価額が高い場合や、土地が広い場合は、ゼロにならないこともあります。
購入後に毎年かかる固定資産税・都市計画税


ここからが本題です。
固定資産税は、毎年1月1日時点の所有者にかかります。
都市計画税は、市街化区域内の土地や家屋にかかる税金で、固定資産税と一緒に納めることが多くあります。
| 計算 | 年額 | |
|---|---|---|
| 土地(小規模住宅用地の特例) | 固定資産税:評価額1,400万円 × 1/6 × 1.4% 都市計画税:評価額1,400万円 × 1/3 × 0.3% | 4.7万円 |
| 建物 | 固定資産税:評価額1,200万円 × 1.4% 都市計画税:評価額1,200万円 × 0.3% | 20.4万円 |
| 合計 | — | 25.1万円(月20,889円) |
※ 税率は千葉市の例(固定資産税1.4%・都市計画税0.3%)によります。市区町村によって異なる場合があります。200㎡以下の住宅用地には、固定資産税が6分の1・都市計画税が3分の1になる特例があります。
土地の税額が意外に小さいのは、住宅用地の特例があるためです。
評価額1,400万円の土地でも、6分の1になるので税額は3.3万円です。
一方、建物には同じような特例がないため、20.4万円と大きくなります。
新築の建物は、3年間だけ半額になります
新築住宅は、建物部分の固定資産税が3年間2分の1に軽減されます(認定長期優良住宅は5年間)。
入居して4年目に、固定資産税が上がります。
新築住宅の軽減が終わるためで、この試算では年8.4万円の増加です。「去年より税金が高くなった」と驚く方は少なくありません。最初から軽減後の金額(年25.1万円)で家計を組んでおいてください。
35年間の総額は約852万円
毎年25.1万円が続くと、どれだけの金額になるでしょうか。
| 期間 | 年額 | 小計 |
|---|---|---|
| 1〜3年目(軽減あり) | 16.7万円 | 50万円 |
| 4年目〜35年目 | 25.1万円 | 802万円 |
| 35年間の合計 | — | 約852万円 |
※ 建物の評価額は経年で下がるため、実際の総額はこれより少なくなります。一方、土地の評価額が上がれば税額も上がります。
月あたり約2.1万円です。
住宅ローンの返済額に、この金額を上乗せして考えてください。
軽減措置は申告しないと受けられません


ここまで見てきたとおり、軽減措置の効果は大きなものです。
| 税金 | 軽減がない場合 | 軽減後 | 差 |
|---|---|---|---|
| 登録免許税 | 47.2万円 | 26.4万円 | 20.8万円 |
| 不動産取得税 | 104万円 | 0円 | 104万円 |
| 印紙税(売買契約書) | 2万円 | 1万円 | 1万円 |
| 合計 | 153.2万円 | 27.4万円 | 125.8万円 |
合計で125.8万円の差になります。
軽減措置には、要件の確認と手続きが必要です。
登録免許税の軽減には、市区町村が発行する住宅用家屋証明書が必要です。不動産取得税の軽減も、申告しないと受けられない場合があります。通常は不動産会社や司法書士が手続きを進めてくれますが、「自動的に適用される」と思い込まないでください。特に中古住宅では、築年数や耐震基準の要件があります。
軽減措置には、それぞれ適用期限もあります。
- 登録免許税(土地の所有権移転) — 2029年3月31日までの登記申請
- 登録免許税(住宅用家屋) — 2027年3月31日までの登記申請
- 不動産取得税の税率3% — 2027年3月31日までの取得
- 新築住宅の固定資産税の減額 — 適用期限が定められています
※ 2026年8月時点の情報です。期限は延長されることが多くありますが、変更される可能性があります。最新の内容は国税庁・各都道府県・市区町村のサイトでご確認ください。
個別の適用可否については、税務署・県税事務所・税理士にご確認ください。
この記事は一般的な考え方を整理したもので、個別の税務判断を行うものではありません。
支払いのタイミング
税金を予算にどう入れるか


税金は、購入時と購入後で扱いを分けて考えてください。
購入時の税金は、諸費用に含める
登録免許税・印紙税・不動産取得税は、諸費用の一部として現金で用意します。
| 諸費用の項目 | 4,000万円の新築の場合 |
|---|---|
| 登録免許税 | 26.4万円 |
| 司法書士報酬 | 10万〜15万円 |
| 印紙税 | 3万円 |
| 不動産取得税 | 0円(軽減後) |
| ローン事務手数料(借入額の2.2%) | 79万円 |
| 火災保険・地震保険(5年一括) | 20万円 |
| 諸費用の合計 | 約143万円 |
※ 新築の場合の目安です。中古では仲介手数料(4,000万円なら約139万円)が加わり、諸費用は物件価格の7〜8%程度になります。
諸費用は、住宅ローンとは別に現金で用意するのが基本です。
借りられる金融機関もありますが、借入額が増えるぶん利息も増えます。
購入後の税金は、毎月積み立てる
固定資産税・都市計画税は年25.1万円。
年4回の分割払いを選んでも、1回あたり6万円以上です。
毎月2.1万円ずつ積み立てておくと、支払い時期に慌てません。
そして予算を決めるときは、この2.1万円を住居費に含めて考えてください。
+ 固定資産税・都市計画税(月2.1万円)
+ 火災保険 + 修繕費 + 管理費・修繕積立金
マンションなら管理費・修繕積立金を含めて月36,200円程度、一戸建てなら修繕費の積立を含めて月29,200円程度が、返済額に上乗せされる金額の目安です。
この住居費が、手取りの25〜30%に収まるかを確認してください。
まとめ|購入時より、購入後の税金が効きます


住宅購入の税金は、購入時に目が向きがちです。
けれども家計に効くのは、毎年払い続ける固定資産税のほうです。
月あたり約2.1万円。この金額を住居費に含めて予算を決めてください。
税金を含めた住居費で、予算を確認しませんか
固定資産税は物件によって大きく変わります。
地価の高いエリアでは、年30万円を超えることも珍しくありません。
伊藤FPオフィスのマイホーム購入診断では、検討中の物件の固定資産税を見積もったうえで、維持費を含めた住居費が家計に占める割合を確認します。
そのうえで、90歳までの貯蓄残高の推移から無理なく買える物件価格の上限を算出します。
宅地建物取引士として、重要事項説明書や資金計画書の見方もお伝えできます。
- 検討中の物件の固定資産税・維持費の見積もり
- 諸費用として必要な現金の算出
- 維持費を含めた住居費が家計に占める割合の確認
- 無理なく買える物件価格と借入額の上限
- 90歳までの貯蓄残高の推移を1枚の表に
- ご夫婦で見返せる資料をお渡しします
千葉県市川市を拠点に、対面・オンラインでご相談をお受けしています。
なお、個別の税務判断については税理士をご紹介することもできます。
👨👩👧 ご相談事例・お客様の声
同じ悩みを持つ方が、どう解決したかをご覧いただけます
「妊娠を機に、これからの家計が気になる」
「教育費をどのような方法で準備したらいい?」
実際に伊藤FPオフィスへご相談いただいた方の、相談前のお悩みから相談後の変化までをご紹介しています。
掲載中のご相談事例
・30代ご夫婦(市川市・妊娠中)/これからの家計の見直し
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よくある質問
気になる質問をタップすると、回答が開きます。
Q. 住宅購入でかかる税金は、合計いくらですか?
購入時は約29.4万円です(4,000万円の新築の場合)。内訳は登録免許税26.4万円、印紙税3万円、不動産取得税0円(軽減後)。一方、購入後にかかる固定資産税・都市計画税は年25.1万円で、35年では約852万円になります。購入時の29倍が、購入後にかかる計算です。
Q. 不動産取得税はいつ、いくら払いますか?
引き渡しから数ヶ月後に、都道府県から納税通知書が届きます。ただし新築住宅では、軽減措置によってゼロになることが多くあります。建物は評価額から1,200万円が控除され、土地も軽減額が税額を上回るためです。軽減がなければ104万円かかる計算になります。要件は物件によって異なるため、県税事務所や不動産会社にご確認ください。
Q. 固定資産税は毎月払うのですか?
年4回の分割払いか、一括払いを選びます。年25.1万円なら、1回あたり6万円以上です。毎月2.1万円ずつ積み立てておくと、支払い時期に慌てません。予算を決めるときも、この2.1万円を住居費に含めて考えてください。
Q. 入居して数年後に、税金が上がることはありますか?
あります。新築住宅は建物の固定資産税が3年間半額になりますが(認定長期優良住宅は5年間)、その期間が終わると本来の額に戻ります。この試算では、年16.7万円から25.1万円へ、年8.4万円の増加です。最初から軽減後の金額で家計を組んでおいてください。
Q. 税金の軽減措置は、自動で受けられますか?
自動ではありません。登録免許税の軽減には市区町村が発行する住宅用家屋証明書が必要で、不動産取得税も申告が必要な場合があります。通常は不動産会社や司法書士が手続きを進めてくれますが、確認はしておいてください。3つの軽減を合わせると125.8万円の差になります。
Q. 税金は住宅ローンに含められますか?
諸費用まで含めて借りられる金融機関もあります。ただし借入額が増えるぶん、利息も増えます。また諸費用込みで借りられる金融機関は限られており、国土交通省の調査では融資率110%以上に対応するのは74件にとどまります。諸費用は現金で用意するつもりで準備しておくほうが安全です。
Q. 中古住宅は税金が安くなりますか?
建物の評価額が低いため、登録免許税や固定資産税は安くなる傾向があります。ただし不動産取得税の軽減は、築年数や耐震基準によって控除額が変わります。また中古では仲介手数料(4,000万円なら約139万円)が加わるため、諸費用の総額は新築より高くなることが一般的です。
Q. 土地にも消費税はかかりますか?
土地には消費税がかかりません。建物には課税されますが、個人が売主となる中古住宅の場合は建物も消費税の対象外になります。新築の建物には消費税が含まれているため、表示価格が税込か税抜かを確認してください。
この記事の監修者


証券会社・不動産会社・保険会社での実務を経て、FP歴16年。2023年1月に独立し、千葉県市川市で独立系FP事務所を開設。家計全体の視点から、住宅購入・ライフプラン設計・保険見直しの相談を行っています。税金のご相談では、購入時より「毎年かかる固定資産税を住居費に含めること」をお伝えしています。
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