【完全ガイド】サラリーマンができる節税法|2026年最新版

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「会社員でもできる節税はあるのだろうか」

「年末調整だけで損をしていないか不安」

会社員は給与から税金が差し引かれるため、自分でできることは少ないと感じやすいものです。

実際に計算してみると、制度によって効果の大きさが20倍以上違いました。

そして、よく紹介される節税法のいくつかは、差し引きで支出のほうが大きくなります。

この記事では、2026年8月時点の制度をもとに、どの制度がいくら効くのかを金額で比べます。

この記事の結論
  1. 効果が最も大きいのは住宅ローン控除。年239,000円(借入3,500万円)
  2. 他の控除をすべて足しても101,700円で、住宅ローン控除に届きません
  3. 生命保険料控除は、年8万円の保険料に対して戻るのは6,800円だけです
  4. 年収700万円を超えると、節税効果が1.5倍になります

こんな方に読んでほしい記事です

  • 会社員としてできる節税をまとめて知りたい
  • 年末調整の書類を毎年なんとなく提出している
  • 住宅ローン控除・ふるさと納税・iDeCoの優先順位に迷っている
  • 「節税になるから」とすすめられた商品を検討している

✍️ この記事の監修者

伊藤FPオフィス代表 伊藤貴徳

代表・監修者

伊藤 貴徳

伊藤FPオフィス 代表

CFP®認定者 1級FP技能士 宅地建物取引士 証券外務員1種

千葉・東京エリアを拠点に、住宅購入前の家計相談・生命保険の見直し・ライフプラン設計を専門とする独立系FP。
銀行・保険会社とは利害関係のない中立な立場で、30〜40代の子育て世帯を中心に相談をお受けしています。
「借りられる額」ではなく「無理なく返せる額」から一緒に考えることを大切にしています。

🏢 伊藤FPオフィス(千葉県・オンライン対応) プロフィール詳細を見る →
目次

【一覧】どの制度がいくら効くのか

節税の記事では、制度が横並びで紹介されることが多くあります。

しかし実際には、効果の大きさがまったく違います。

額面年収600万円の会社員が、それぞれの制度を使った場合の年間の減税額を計算しました。

住宅ローン控除(借入3,500万円) 239,000円/年
他のすべてを足しても、これには届きません
iDeCo(月23,000円を拠出) 55,200円/年
ただし27.6万円が60歳まで引き出せなくなります
医療費控除(年20万円かかった年) 20,000円/年
10万円を超えた分が控除の対象になります
生命保険料控除(3区分すべて満額) 19,000円/年
年24万円の保険料を払った場合です
地震保険料控除(満額) 7,500円/年

※ 額面年収600万円・所得税率10%・住民税率10%として計算した概算です。給与所得控除・社会保険料控除(額面の14.69%と仮定)・基礎控除を反映していますが、扶養控除など他の控除は考慮していません。実際の金額はご自身の所得控除の状況によって変わります。

住宅ローン控除だけが、桁が違います。

iDeCo・医療費控除・生命保険料控除・地震保険料控除をすべて足しても101,700円です。

住宅ローン控除の239,000円には、まったく届きません。

年収700万円が、ひとつの分かれ目です

所得控除の効果は、その人の税率で決まります。

年収別に見ると、次のようになります。

額面年収課税所得の目安所得税率住民税率合計
400万円129万円5%10%15%
500万円215万円10%10%20%
600万円280万円10%10%20%
700万円354万円20%10%30%
800万円430万円20%10%30%

※ 給与所得控除・社会保険料控除・基礎控除のみを反映した概算です。扶養控除・配偶者控除などがあれば課税所得はさらに下がります。

年収700万円を超えると、所得控除の効果が1.5倍になります。

同じiDeCoの拠出額でも、年収600万円なら55,200円、700万円なら82,800円の減税です。

逆に、年収が低いほど所得控除の効果は小さくなります。

課税所得がゼロの方には、そもそも効果がありません。

給与から何がいくら引かれているかは、こちらで整理しています。

効果が最大の住宅ローン控除、だからこその注意点

住宅ローン控除は、年末のローン残高の0.7%が税額から直接差し引かれる制度です。

これは「税額控除」と呼ばれ、所得控除より効果が大きくなります。

所得控除税額控除
仕組み税金を計算する前の所得を減らす計算された税額から直接引く
主な例生命保険料控除・医療費控除・iDeCoなど住宅ローン控除
10万円の控除で減る税金(年収600万円)約2万円10万円
手続き年末調整または確定申告初年度は確定申告、2年目以降は年末調整でも可

同じ10万円でも、税額控除なら5倍の効果があります。

住宅ローン控除が突出して大きいのは、この仕組みのためです。

2026年入居の場合、借入限度額は住宅の性能によって決まります。

新築住宅の種類子育て世帯・若者夫婦世帯それ以外の世帯
認定長期優良住宅・認定低炭素住宅5,000万円4,500万円
ZEH水準省エネ住宅4,500万円3,500万円
省エネ基準適合住宅3,000万〜4,000万円2,000万円
その他の住宅(省エネ基準を満たさない新築)対象外対象外

※ 2026年(令和8年)入居の場合。控除率0.7%・控除期間13年。省エネ基準適合住宅の上乗せ額は資料によって記載が分かれるため、国土交通省・国税庁の最新情報でご確認ください。

⚠️

ただし、戻るのは「納めた税金の範囲まで」です。
年末残高3,416万円なら計算上の控除額は239,000円ですが、年収600万円の方が納めている所得税・住民税は年24.7万円ほどです。借入額を増やしても、納税額を超える分は戻ってきません。「控除が大きいから多く借りる」という発想は、この点でも成り立ちません。

FP伊藤

住宅ローン控除のご相談で「控除があるから、少し多めに借りても大丈夫ですよね」と聞かれることがあります。
私の答えはいつも同じです。控除より先に返済計画を見ましょう。
控除は13年で終わりますが、住宅ローンの返済は35年続きます。
年23.9万円の控除のために借入を増やすと、教育費のピークと重なったときに家計が持ちません。
控除は「使えるなら使う制度」であって、「借りすぎを正当化する制度」ではありません。

なお、住宅購入は節税の面でも大きな転換点になります。

住宅購入前住宅購入後
生命保険料控除(一般のみ満額)6,800円6,800円
iDeCo(月23,000円)55,200円55,200円
地震保険料控除7,500円
住宅ローン控除239,000円
年間の合計62,000円308,500円

住宅購入で、年間の節税額は246,500円増える計算です。

ただし、これは購入によって発生する返済額・固定資産税・修繕費と比べれば小さな金額です。

節税を理由に購入を決めないでください。

住宅ローン控除の計算方法と申告の手順は、こちらで解説しています。

iDeCoと生命保険料控除は似て非なるものです

どちらも「掛金・保険料を払うと所得控除になる」制度です。

しかし、性質はまったく違います。

生命保険料控除は、上限が低く効果が小さい

生命保険料控除は、一般生命保険料・介護医療保険料・個人年金保険料の3区分に分かれています。

所得税では合計12万円、住民税では合計7万円が控除の上限です。

問題は、控除のために保険に入ると差し引きで損をすることです。

払う保険料
年間
80,000
VS
戻ってくる税金
年間
6,800

差し引き 73,200円 の支出です(年収600万円・一般生命保険料控除が満額になる場合)

3区分すべてを満額にすると、年24万円の保険料に対して戻るのは19,000円です。

差し引き221,000円の支出になります。

必要な保障のために入った保険なら、控除は「おまけ」として使えばよいものです。

しかし控除を目的に保険を増やすと、確実に家計は苦しくなります。

特に住宅購入後は、団体信用生命保険(団信。住宅ローンの契約者に万一のことがあったとき残りのローンがゼロになる保険)に加入するため、死亡保障を減らせる可能性があります。

控除を意識する前に、必要な保障額を計算してください。

iDeCoは効果が大きいが、資金が固定される

iDeCoは掛金が全額所得控除になります。

上限がある生命保険料控除と違い、拠出額がそのまま控除額になる点が強みです。

毎月の掛金年収500万〜600万円(20%)年収700万円以上(30%)
10,000円24,000円36,000円
20,000円48,000円72,000円
23,000円55,200円82,800円

※ 会社員で企業年金がない場合の上限は月23,000円です(2026年8月時点)。2026年12月1日から、企業年金との共通枠で月62,000円へ引き上げられる予定です。

ただし、iDeCoには決定的な制約があります。

原則60歳まで引き出せません。

⚠️

住宅購入を控えているなら、上限まで拠出しないでください。
年27.6万円を5年拠出すると138万円になりますが、頭金には1円も使えません。5年間の減税額27.6万円に対し、その138万円を頭金に入れられなかったことで住宅ローンの利息が25.6万円増える計算です(借入3,500万円・金利1.0%・35年)。節税分がほぼ相殺されるうえ、選択肢が減ります。

iDeCoは「60歳まで使わない」と言い切れる金額に抑えてください。

住宅購入の予算が固まってから始めても、遅くはありません。

地震保険料控除は、購入したら必ず申告する

地震保険料は、所得税で最高5万円まで控除の対象になります。

減税額は年収600万円で7,500円程度と大きくはありませんが、すでに払っている保険料に対する控除なので、申告しないと純粋に損をします。

なお、火災保険の保険料は控除の対象外です。

控除証明書で、地震保険部分の金額を確認してください。

iDeCoとNISAの使い分けは、こちらで詳しくまとめています。

ふるさと納税と医療費控除

ふるさと納税は「減税」ではなく「支出の付け替え」

ふるさと納税は、自治体への寄附額のうち2,000円を超える部分について、所得税と住民税から控除を受けられる制度です。

注意したいのは、税金そのものが減るわけではないことです。

本来払うはずだった税金を、先に寄附として払っているだけです。

得られるのは、実質2,000円の負担で受け取れる返礼品です。

額面年収控除上限額の目安返礼品の価値(寄附額の3割)
400万円約27,800円約8,400円相当
500万円約44,900円約13,500円相当
600万円約58,000円約17,400円相当
700万円約72,800円約21,800円相当
800万円約87,900円約26,400円相当

※ 住民税所得割額の約2割に2,000円を加えた概算です。家族構成・住宅ローン控除・医療費控除などによって上限は変わります。正確な上限額は各ふるさと納税サイトのシミュレーションや、お住まいの自治体でご確認ください。

上限を超えて寄附すると、その分は自己負担になります。

特に住宅ローン控除を使っている年は、上限が下がることがあります。

購入した年は、必ず計算し直してください。

  • ワンストップ特例 — 寄附先が5団体以内で、確定申告をしない場合に使えます
  • 確定申告をすると無効になります — 医療費控除や初年度の住宅ローン控除で申告する場合は、ワンストップ申請済みの寄附も含めて申告し直す必要があります
医療費控除は家族分をまとめる

医療費控除は、1年間に支払った医療費が10万円を超えた場合に使えます(総所得金額が200万円未満の方は、その5%を超えた分)。

生計を一にする家族の分をまとめて計算できます。

夫婦と子どもの通院・歯科治療・出産費用を合算すると、10万円を超えることは珍しくありません。

年間20万円の医療費がかかった場合、控除額は10万円、減税額は約20,000円です(年収600万円の場合)。

⚠️

保険金や高額療養費で戻った分は差し引きます。
入院給付金や出産育児一時金、高額療養費で払い戻された金額は、支払った医療費から差し引いて計算します。領収書と給付の記録を、両方そろえて確認してください。

なお、市販薬の購入額が年12,000円を超える場合に使える「セルフメディケーション税制」もありますが、医療費控除との併用はできません。

どちらか有利なほうを選びます。

特定支出控除は、転職・資格取得の年に確認

業務に関係する支出が給与所得控除額の2分の1を超えた場合、その超えた部分を控除できる制度です。

対象は通勤費・転居費・研修費・資格取得費・単身赴任の帰宅旅費などです。

ただし、該当する方は多くありません。

年収600万円なら給与所得控除は164万円で、その半分の82万円を超える自己負担が必要になるためです。

会社の証明も必要になります。

転職・転勤・資格取得で大きな支出があった年だけ、税務署や税理士に確認してみてください。

公務員の方の確定申告やiDeCoの扱いは、こちらで解説しています。

2026年の改正と、年末調整で漏らさないために

令和7年度の税制改正により、所得税の計算が見直されました。

原則として令和7年分以後の所得税に適用されています。

改正された項目主な内容確認すること
基礎控除合計所得金額に応じて控除額が見直されました年末調整・確定申告で新しい基準になっているか
給与所得控除最低保障額が65万円に引き上げられました源泉徴収票の見方を更新する
特定親族特別控除19歳以上23歳未満の親族について新設されました大学生のお子さんのアルバイト収入に注意
扶養親族等の所得要件所得要件が58万円以下へ見直されました配偶者・お子さんの収入見込みを年末調整の前に確認

※ 詳細は国税庁のサイトでご確認ください。

会社は、家族の収入状況を自動で把握できません。

年末調整の時期に慌てないよう、家族の収入見込みを早めに確認してください。

特に、お子さんのアルバイト収入や配偶者の働き方が変わった年は要注意です。

年末調整で漏らさないためのチェックリスト

毎年、必ず確認したい項目

  • 配偶者の年収・所得の見込み(働き方が変わっていないか)
  • 子どもや親を扶養に入れられるか(19歳以上23歳未満は特定親族特別控除も)
  • 生命保険料の控除証明書(3区分すべて出しているか)
  • 地震保険料の控除証明書(住宅購入した年は忘れやすい)
  • iDeCoの掛金払込証明書
  • 住宅ローン控除の2年目以降の書類(初年度は確定申告が必要)

年末調整で申告し忘れたものは、あとから確定申告で取り戻せる場合もあります。

ただし手間が増えるため、まず年末調整を丁寧に行うことが確実です。

取り組む順番

1
年末調整の控除漏れをなくす
手続きの手間が少なく、確実に効果が出ます。生命保険料控除・地震保険料控除・iDeCoの証明書をすべて提出できているか確認してください。特に住宅を購入した年は、地震保険料控除を忘れがちです。
2
住宅ローン控除の条件を確認する
効果が最も大きい制度です(年23.9万円)。ただし物件の性能・入居年・所得によって借入限度額が変わります。初年度は確定申告が必要です。控除を理由に借入額を増やさないことが大前提です。
3
ふるさと納税の上限を確認する
住宅ローン控除や医療費控除を使う年は、上限が下がることがあります。購入した年・医療費が多かった年は、必ず計算し直してください。上限を超えた分は自己負担になります。
4
医療費控除を確認する
出産・通院・歯科治療があった年は、家族分をまとめて計算してください。10万円を超えていれば確定申告で戻ります。保険金や高額療養費で戻った分は差し引きます。
5
iDeCoは住宅購入の予算が固まってから
効果は大きい制度ですが、60歳まで引き出せません。頭金・諸費用・教育費の準備が先です。「老後まで使わない」と言い切れる金額だけにしてください。

やってはいけない考え方

  • 節税のために不要な保険に入る(年8万円払って戻るのは6,800円です)
  • iDeCoを上限まで拠出して、手元資金が不足する
  • ふるさと納税の上限を確認せずに寄附する
  • 住宅ローン控除を理由に借入額を増やす
  • 副業収入や一時所得の申告を軽く考える
  • 家族の扶養・配偶者控除の条件を毎年確認しない

会社員の節税は、税金をゼロにすることではありません。

本来使える制度を正しく使い、家計に必要なお金を残すことが目的です。

特に住宅購入前は、節税より資金繰りの安定が優先されます。

節税の前に確認しておきたい家計の全体像は、こちらでまとめています。

まとめ|使う順番で差がつきます

この記事の要点
1 住宅ローン控除が突出して大きい(年239,000円)。他をすべて足しても101,700円
2 税額控除は所得控除の5倍効く。同じ10万円でも意味が違う
3 生命保険料控除は年8万円の保険料に対して6,800円。控除目的の加入は損
4 iDeCoは効果が大きいが、住宅購入前は利息増でほぼ相殺される
5 ふるさと納税は減税ではなく支出の付け替え。得られるのは返礼品
6 年収700万円を超えると、所得控除の効果が1.5倍になる
7 取り組む順番は、年末調整→住宅ローン控除→ふるさと納税→医療費控除→iDeCo

会社員でも、使える制度を正しく選べば税負担は軽くできます。

ただし、制度を使うために支出を増やすと本末転倒です。

すでに払っているものへの控除は漏らさず使い、新たな支出を伴うものは効果と負担を比べて判断してください。

節税より先に、家計全体を確認しませんか

住宅購入を検討している方にとって、節税額は家計への影響という点では小さな要素です。

年間30万円の節税より、借入額を500万円減らすことのほうが、はるかに大きく効きます。

伊藤FPオフィスのマイホーム購入診断では、住宅ローン・教育費・老後資金・保険・iDeCo・ふるさと納税まで含めて、家計全体のバランスを確認します。

保険も金融商品も販売していないため、「節税になる商品」をおすすめすることはありません。

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FP業界での経験
5資格
CFP®・宅建士ほか
0
商品販売の手数料収入
マイホーム購入診断
税込29,800円 / オンライン対応
  • 住宅ローン控除を含む、購入後の税負担の試算
  • 加入中の保険の見直し(控除目的の重複がないかの確認)
  • iDeCoに回してよい金額の判断
  • 無理なく返せる借入額の確認
  • 教育費・老後資金まで含めたキャッシュフロー表の作成
  • 保険も金融商品も販売しない独立系FPによる中立な整理

千葉県市川市を拠点に、対面・オンラインでご相談をお受けしています。

なお、個別の税務判断については税理士をご紹介することもできます。

制度を使う前に、家計の土台を整えておきましょう

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オンライン対応・千葉県市川市

よくある質問

気になる質問をタップすると、回答が開きます。

Q. 会社員の節税で、いちばん効果が大きいのは何ですか?

住宅ローン控除です。借入3,500万円なら年239,000円の減税になります(年収600万円の場合)。iDeCo・医療費控除・生命保険料控除・地震保険料控除をすべて足しても101,700円なので、桁が違います。ただし、これは住宅を購入した方だけが使える制度です。

Q. 節税のために保険を増やすのはありですか?

おすすめしません。年収600万円の方が年8万円の保険料を払っても、戻るのは6,800円です。差し引き73,200円の支出になります。3区分すべてを満額にしても、年24万円の保険料に対して戻るのは19,000円です。必要な保障のために入った保険なら控除はおまけとして使えますが、控除を目的に増やすと確実に家計は苦しくなります。

Q. 会社員でも確定申告したほうがいいですか?

次のいずれかに当てはまる場合は、確定申告が必要または有利になります。医療費が年10万円を超えた、住宅ローン控除の初年度、ふるさと納税でワンストップ特例を使わない(または6団体以上に寄附した)、副業収入がある、といったケースです。それ以外は年末調整で完結することが多くなります。

Q. ふるさと納税は節税になりますか?

厳密には節税ではありません。本来払うはずだった税金を、先に寄附として払っているだけです。税金そのものは減りません。得られるのは、実質2,000円の負担で受け取れる返礼品です。年収600万円なら上限は約58,000円で、返礼品の価値は約17,400円相当になります。

Q. iDeCoと住宅ローン控除は併用できますか?

制度としては併用できます。ただしiDeCoは所得控除、住宅ローン控除は税額控除です。iDeCoで課税所得が下がると、住宅ローン控除で戻る枠も小さくなる場合があります。住宅ローン控除は「納めた税金の範囲まで」しか戻らないためです。両方を使う場合は、家計全体で効果を確認してください。

Q. ふるさと納税と医療費控除は同じ年に使えますか?

使えます。ただし医療費控除のために確定申告をすると、ふるさと納税のワンストップ特例は無効になります。その場合は、ワンストップ申請済みの寄附も含めて確定申告に記載してください。記載を忘れると、ふるさと納税の控除が受けられなくなります。

Q. 年収が低いと節税の効果は小さいのですか?

所得控除については、そのとおりです。所得控除の効果は税率で決まるため、年収400万円なら合計15%、年収700万円以上なら30%と2倍の差があります。課税所得がない方には、そもそも効果がありません。一方、住宅ローン控除は税額から直接引くため、納めている税金の範囲内であれば税率に左右されません。

Q. 住宅購入前に一番確認すべきことは何ですか?

節税制度ではなく、無理なく返せる借入額です。年間30万円の節税より、借入額を500万円減らすことのほうが家計への影響は大きくなります。住宅ローン控除は13年で終わりますが、返済は35年続きます。教育費・老後資金まで含めて判断してください。

この記事の監修者

伊藤貴徳(伊藤FPオフィス代表)
伊藤 貴徳(いとう たかのり)
伊藤FPオフィス代表/CFP®・1級FP技能士・宅地建物取引士

証券会社・不動産会社・保険会社での実務を経て、FP歴16年。2023年1月に独立し、千葉県市川市で独立系FP事務所を開設。保険も金融商品も販売しない中立な立場で、住宅購入・ライフプラン設計・保険見直しの相談を行っています。節税のご相談では、制度を並べる前に「どれがいくら効くのか」を金額で比べることをお伝えしています。

保有資格:CFP®(CERTIFIED FINANCIAL PLANNER®)/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/宅地建物取引士/トータル・ライフコンサルタント(生命保険協会認定)/証券外務員一種
対応エリア:千葉県・東京都は対面相談可、全国オンライン対応
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本記事は2026年8月時点の公的情報をもとにした一般的な情報提供です。減税額の試算は、額面年収600万円・所得税率10%・住民税率10%を前提とし、給与所得控除・社会保険料控除(額面の14.69%と仮定)・基礎控除を反映して課税所得を算出した概算です。扶養控除・配偶者控除など他の所得控除は考慮していないため、実際の税率と減税額はご自身の状況によって変わります。生命保険料控除の上限は所得税12万円・住民税7万円、地震保険料控除の上限は所得税5万円・住民税2.5万円として計算しています。住宅ローン控除は借入3,500万円・金利1.0%・35年での1年目の年末残高3,416万円に0.7%をかけた金額です。実際に戻る額は、納めている所得税・住民税の範囲が上限となります。ふるさと納税の控除上限額は住民税所得割額の約2割に2,000円を加えた概算で、家族構成や他の控除によって変わります。正確な金額は各ふるさと納税サイトのシミュレーションやお住まいの自治体でご確認ください。税制・控除額・拠出限度額は今後変更される可能性があります。最新の内容は国税庁・厚生労働省・国土交通省のサイトでご確認ください。本記事は特定の商品・保険・金融機関を推奨するものではありません。個別の税務判断は、税務署または税理士にご確認ください。個別のご相談については、伊藤FPオフィスまでお問い合わせください。

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