教育費のために、毎月いくら積み立てればよいのか。
この金額は、計算すると意外に小さくなります。
理由は、児童手当があるからです。
受け取った児童手当をすべて貯めると、18年間で234万円になります。
- 児童手当を貯めるだけで234万円。国立大学ならほぼ足ります
- 私立文系を目指すなら、追加の積立は月8,565円(0歳から)
- 児童手当を使ってしまうと、必要な積立は月19,398円に増えます
- 10歳から始めると、0歳から始める場合の2.25倍が必要です
- 高校3年間は、2026年の制度改正で貯められる時期に変わりました
こんな方に読んでほしい記事です
- 毎月の積立額を具体的に決めたい
- 児童手当をどう扱えばよいか迷っている
- いつから準備を始めればよいか知りたい
- 住宅ローンを組んでも積立を続けられるか不安
教育費の総額そのものを知りたい方は、こちらをご覧ください。

✍️ この記事の監修者
代表・監修者
伊藤 貴徳
伊藤FPオフィス 代表
千葉・東京エリアを拠点に、住宅購入前の家計相談・生命保険の見直し・ライフプラン設計を専門とする独立系FP。
銀行・保険会社とは利害関係のない中立な立場で、30〜40代の子育て世帯を中心に相談をお受けしています。
「借りられる額」ではなく「無理なく返せる額」から一緒に考えることを大切にしています。
児童手当を貯めると234万円になります
積立額を決める前に、確認しておきたいことがあります。
すでに受け取っているお金が、いくらになるかです。
2024年10月から、児童手当は所得制限がなくなりました。
支給の対象も、高校生年代まで広がっています。
3歳〜高校生年代:月10,000円 × 180ヶ月 = 180万円
※ 第1子・第2子の場合です。第3子以降は3歳〜高校生年代が月30,000円となり、総額は594万円になります。制度は見直されることがあるため、最新の内容はお住まいの自治体にご確認ください。
この234万円を、大学の費用と比べます。
※ 国立大学は文部科学省令で定める標準額(入学金282,000円・授業料年535,800円)で計算しました。私立大学は文部科学省の調査をもとにした目安で、入学金・授業料・施設設備費を含みます。学部・大学によって大きく異なります。自宅外通学の場合は、別に住居費・生活費がかかります。
国立大学なら、児童手当を貯めるだけでほぼ足ります。
「教育費が心配」という漠然とした不安の正体は、この数字を知らないことにあるのかもしれません。
ただし、児童手当を生活費に使ってしまうご家庭は少なくありません。
毎月1万円が生活口座に振り込まれると、いつの間にか使ってしまいます。教育費として貯めるなら、受け取ったらすぐ別の口座に移す仕組みを作ってください。これだけで234万円の差がつきます。
大学でいくらかかるかは、こちらで詳しく解説しています。

【逆算】追加で必要な積立額はいくらか
必要な金額がわかれば、あとは割り算です。
児童手当を全額貯めた場合、追加で必要な積立額を計算しました。
| 進学先 | 児童手当を貯めた場合 | 児童手当を使ってしまった場合 |
|---|---|---|
| 国立大学 | 月394円 | 月11,228円 |
| 私立文系 | 月8,565円 | 月19,398円 |
| 私立理系 | 月15,417円 | 月26,250円 |
※ 0歳から18歳まで、毎月同額を積み立てた場合の試算です(216ヶ月)。運用は考慮していません。入学後の生活費・仕送りは含みません。
私立文系なら月8,565円、理系でも月15,417円です。
想像していたより、少ないのではないでしょうか。
一方、児童手当を使ってしまうと月19,398円が必要になります。
差は月1万円ほどですが、18年では200万円以上になります。
児童手当を分けて管理するだけで、これだけ変わります。
FP伊藤ご相談では「教育費のために毎月3万円は貯めないと」とおっしゃる方が多くいらっしゃいます。
けれども計算すると、私立文系でも月8,565円で足りる計算になります。
もちろん塾や習い事の費用は別に必要です。
それでも、大学費用のために無理な金額を積み立てていまの生活が苦しくなるのは本末転倒です。
まず金額を出してから、積立額を決めてください。
どの方法で積み立てるかは、こちらで比較しています。




始める時期で、負担は2.25倍変わります
同じ金額を貯めるのに、始める年齢で毎月の負担が変わります。
| 始める時期 | 国立大学 | 私立文系 | 私立理系 |
|---|---|---|---|
| 0歳から(18年) | 月11,228円 | 月19,398円 | 月26,250円 |
| 5歳から(13年) | 月15,546円 | 月26,859円 | 月36,346円 |
| 10歳から(8年) | 月25,262円 | 月43,646円 | 月59,062円 |
※ 児童手当を含めず、必要額の全額を積み立てる場合の試算です。運用は考慮していません。
10歳から始めると、0歳から始める場合の2.25倍が必要になります。
しかも10歳以降は、塾や部活動の費用も増える時期です。
家計に余裕がなくなってから始めるのは、現実には難しくなります。
少額でもよいので、早く始めることに意味があります。
貯めやすい時期と、苦しい時期があります
教育費は、時期によって「貯めやすさ」がまったく違います。
毎月同じ金額を積み立て続ける必要はありません。
※ 高等学校等就学支援金は2026年4月1日施行の内容です。支給されるのは授業料のみで、入学金・施設設備費・教材費・制服代は対象外です。支給を受けるには申請が必要です。詳しくは文部科学省または学校にご確認ください。
お子さんが2人いる場合は、重なる年に注意してください。
年齢差によって、支出が集中する年が生まれます。たとえば3歳差なら、第1子の大学入学と第2子の高校入学が同じ年になります。お子さんの生まれ年を並べて、何歳のときに何が重なるかを先に書き出しておいてください。
積み立てたお金は、使う時期で置き場所を分けます
| 使う時期 | 適した置き場所 | 理由 |
|---|---|---|
| 1年以内(受験料・入学準備) | 普通預金 | いつでも引き出せることが最優先です |
| 1〜5年以内(大学入学が近い) | 定期預金・個人向け国債など | 値動きで減ると、取り返す時間がありません |
| 5年以上先(小さいお子さんの大学費用) | つみたて投資も選択肢 | 値動きをならす時間があります。ただし元本保証ではありません |
投資を使う場合も、使う時期が近づいたら段階的に現金へ移してください。
高校3年生の冬に元本割れしていると、取り返す時間がありません。
大学入学の2〜3年前から、少しずつ現金化していくのが安全です。
それでも足りない場合の選択肢は、こちらで解説しています。


まとめ|金額を出せば、積立額は決まります
教育費の準備は、金額を出すところから始まります。
必要額が分かれば、毎月の積立額は割り算で決まります。
そして多くのご家庭では、思っていたより小さい金額で足ります。
まずは児童手当を分けて管理するところから始めてみてください。
教育費の総額と、進路による違いは、こちらでまとめています。




住宅ローンを組んでも積立を続けられるか、確認しませんか
教育費の積立で難しいのは、金額そのものではありません。
住宅ローンの返済と同時に、18年間続けられるかどうかです。
私立文系なら月8,565円、理系なら月15,417円(児童手当を貯めた場合)。
この金額を確保できる返済額に収まっているかが、判断の分かれ目になります。
伊藤FPオフィスのマイホーム購入診断では、教育費のピーク時に貯蓄がいくら残っているかを計算します。
あわせて90歳までの貯蓄残高の推移を1枚の表にしてお渡しします。
金融商品を販売していないため、特定の商品や金融機関をおすすめすることはありません。
- お子さまの進路希望に合わせた教育費の見積もり
- 住宅ローンを組んでも積立を続けられるかの確認
- 教育費のピーク時の貯蓄残高の試算
- お子さまが2人以上の場合、支出が重なる年の特定
- 90歳までの貯蓄残高の推移を1枚の表に
- ご夫婦で見返せる資料をお渡しします
千葉県市川市を拠点に、対面・オンラインでご相談をお受けしています。
よくある質問
気になる質問をタップすると、回答が開きます。
Q. 結局、毎月いくら積み立てればよいですか?
児童手当を全額貯める前提なら、国立大学で月394円、私立文系で月8,565円、私立理系で月15,417円です(0歳から18歳までの試算)。児童手当を生活費に使う場合は、私立文系で月19,398円が必要になります。
Q. 児童手当はいくら受け取れますか?
0歳〜3歳未満が月15,000円、3歳〜高校生年代が月10,000円です。18年間の総額は234万円になります。2024年10月から所得制限がなくなり、高校生年代まで支給されるようになりました。第3子以降は3歳〜高校生年代が月30,000円で、総額594万円です。
Q. 児童手当だけで大学費用は足りますか?
進学先によります。国立大学(約243万円)なら96%をカバーでき、不足は85,200円です。私立文系(約419万円)では56%、私立理系(約567万円)では41%になります。自宅外通学の場合は、これとは別に住居費・生活費がかかります。
Q. 今から始めても間に合いますか?
始める時期で毎月の負担は変わりますが、間に合わないということはありません。0歳から始めると私立文系で月19,398円、10歳からだと月43,646円です(児童手当を含めない場合)。負担は2.25倍になりますが、奨学金や教育ローンという選択肢もあります。
Q. 中学生の時期に積立を続けられるか不安です
中学生の3年間が、教育費の準備で最も厳しい時期です。塾の費用が本格化し、高校受験の費用もかかります。積立を減額しても構いませんので、止めないことを優先してください。高校生になると就学支援金が受けられるため、そこから再び積み増せます。
Q. 2026年の高校無償化で、どう変わりましたか?
高等学校等就学支援金の所得制限が撤廃されました。私立高校で年45.72万円、公立高校で年11.88万円が全世帯に支給されます。これにより高校3年間は「支出が増える時期」から「貯められる時期」に変わりました。ただし支給されるのは授業料のみで、入学金・施設設備費・制服代などは対象外です。
Q. 積み立てたお金はどこに置けばよいですか?
使う時期で分けてください。1年以内に使うお金は普通預金、1〜5年以内なら定期預金や個人向け国債、5年以上先なら投資も選択肢になります。投資を使う場合も、大学入学の2〜3年前から段階的に現金へ移すことを検討してください。
Q. 住宅ローンを組んでも積立を続けられますか?
返済額しだいです。私立文系なら月8,565円、理系なら月15,417円を確保できる返済額に収まっているかを確認してください。また持ち家には固定資産税・修繕費・管理費もかかります。返済額だけで判断すると、この分が教育費から削られます。
この記事の監修者


証券会社・不動産会社・保険会社での実務を経て、FP歴16年。2023年1月に独立し、千葉県市川市で独立系FP事務所を開設。金融商品を販売しない中立な立場で、住宅購入・ライフプラン設計・保険見直しの相談を行っています。教育費のご相談では、まず児童手当を分けて管理することから始めていただくようお伝えしています。
対応エリア:千葉県・東京都は対面相談可、全国オンライン対応
本記事の試算条件・出所をみる
【大学の費用】国立大学は文部科学省令で定める標準額(入学金282,000円・授業料年535,800円)をもとに4年間で2,425,200円として計算しました。私立大学は文部科学省の調査をもとにした目安で、文系419万円・理系567万円(入学金・授業料・施設設備費を含む)としています。学部・大学によって大きく異なります。自宅外通学の場合は、別に住居費・生活費がかかります。
【積立額の試算】0歳から18歳まで216ヶ月、毎月同額を積み立てた場合の計算です。運用は考慮していません。塾・習い事の費用、受験料、入学後の生活費は含みません。
【高等学校等就学支援金】2026年4月1日施行の内容です。所得制限が撤廃され、公立高校118,800円、私立高校(全日制)最大457,200円が支給されます。支給されるのは授業料のみで、入学金・施設設備費・教材費・制服代・修学旅行費は対象外です。授業料が支給額を下回る場合は、実際の授業料が上限になります。支給を受けるには申請が必要です。最新の内容は文部科学省または学校にご確認ください。
【免責】本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品・保険商品の購入や契約を勧めるものではありません。制度は改定されることがあります。個別のご相談については、伊藤FPオフィスまでお問い合わせください。

