建売住宅と注文住宅はどちらが得?費用・自由度を比較

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「建売住宅と注文住宅、うちはどちらを選ぶべき?」

戸建てを検討し始めると、必ずぶつかる分かれ道です。

価格・自由度・入居時期など判断材料が多く、決めきれない方がほとんどです。

この記事の結論
  1. 公的統計では、千葉県で約1,193万円、東京都で約1,849万円の価格差がある
  2. 注文住宅は本体価格の2〜3割の追加費用が乗るため、総額で比べないと判断を誤る
  3. 注文住宅を選んだ方は、返済負担率が建売より高い傾向がある(家計が重くなりやすい)
  4. 選ぶ順番は「どちらか」ではなく、先に総額の上限を決めること

この記事では、公的統計の実データとFPの視点から、両者の違いを整理します。

こんな方に読んでほしい記事です

  • 戸建て購入で建売と注文住宅を迷っている
  • それぞれの費用の違いと、総額の考え方を知りたい
  • 注文住宅で予算オーバーしないか不安
  • 自分たちにどちらが向いているか判断したい

✍️ この記事の監修者

伊藤FPオフィス代表 伊藤貴徳

代表・監修者

伊藤 貴徳

伊藤FPオフィス 代表

CFP®認定者 1級FP技能士 宅地建物取引士 証券外務員1種

千葉・東京エリアを拠点に、住宅購入前の家計相談・生命保険の見直し・ライフプラン設計を専門とする独立系FP。
銀行・保険会社とは利害関係のない中立な立場で、30〜40代の子育て世帯を中心に相談をお受けしています。
「借りられる額」ではなく「無理なく返せる額」から一緒に考えることを大切にしています。

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目次

建売住宅と注文住宅の違い|10項目の早見表

最大の違いは「完成品を買うか、ゼロから作るか」です。

そこから、次の10項目に差が生まれます。

比較項目建売住宅注文住宅
買い方土地と建物をセットで購入土地を確保し、建物を設計・建築
価格抑えやすい(規格化・一括仕入れ)こだわりがそのまま費用に反映
資金計画立てやすい(価格が確定している)立てにくい(打ち合わせで増えやすい)
自由度低い(完成済みで変更が難しい)高い(間取り・設備・外観)
入居までの期間完成物件なら1〜2ヶ月土地探しから1年〜1年半
実物の確認完成物件なら現物を見て買える図面とモデルハウスで判断
立地良い場所が多い(分譲地)土地から探すため郊外になりやすい
敷地の広さやや狭い傾向広い傾向
住宅性能標準仕様で固定されやすい断熱・耐震を自分で選べる
建築中の確認できないことが多い基礎・構造を自分の目で確認できる

FPが最も重視するのは3行目です

「資金計画の立てやすさ」の差は、家計に与える影響が最も大きい項目です。

建売は総額がほぼ確定した状態で判断できます。

注文住宅は、打ち合わせを重ねるうちに数百万円単位で動くことがあります。

【データ】千葉・東京の実際の価格差はいくら?

ここからは、実際に住宅ローンを利用した方の公的統計を見てみます。

住宅金融支援機構「2024年度フラット35利用者調査」の数字です。

エリア別の総額と月々の返済額

エリア建売住宅土地付注文住宅差額
全国3,826万円5,007万円+1,181万円
首都圏4,363万円5,791万円+1,428万円
千葉県3,802万円4,994万円+1,193万円
東京都5,458万円7,308万円+1,849万円

出所:住宅金融支援機構「2024年度フラット35利用者調査」(調査期間2024年4月〜2025年3月)。土地付注文住宅の総額は建設費と土地取得費の合計。

千葉県では約1,193万円、東京都では約1,849万円の差があります。

この差が、毎月の返済額にどう表れるかも見てみましょう。

エリア建売住宅の月返済注文住宅の月返済差額
全国11.9万円15.1万円月+3.2万円
首都圏13.3万円16.9万円月+3.6万円
千葉県11.9万円14.9万円月+3.0万円
東京都15.9万円20.2万円月+4.3万円

出所:同調査「1か月当たり予定返済額」。実際に借りた方の平均値です。

見落とされがちな「返済負担率」の差

さらに注目したいのが、年収に占める返済額の割合です。

エリア建売住宅土地付注文住宅
全国24.4%26.8%
首都圏25.3%27.3%
千葉県24.5%26.7%
東京都26.5%27.4%

出所:同調査「総返済負担率」(年収に占める年間返済額の割合)。

どのエリアでも、注文住宅を選んだ方のほうが負担率が高くなっています。

注文住宅を選ぶ方は世帯年収も高い傾向にありますが(千葉県では建売620万円に対し注文717万円)、それでも負担率は注文住宅のほうが重いという結果です。

収入が高いから余裕がある、とは限らないということです。

この数字の読み方に注意してください

統計は「実際にそう買った人の平均」であって、「適正額」ではありません。

返済負担率25%前後という数字も、教育費が本格化する前の家計であれば成立します。

判断すべきは平均値との比較ではなく、10年後・15年後のご自身の家計です。

広さの違いも数字で見る

エリア建売の住宅面積/敷地面積注文住宅の住宅面積/敷地面積
全国100.7㎡ / 145.5㎡111.1㎡ / 251.2㎡
千葉県100.8㎡ / 147.0㎡110.4㎡ / 248.4㎡
東京都94.2㎡ / 104.9㎡104.0㎡ / 125.0㎡

出所:同調査。敷地面積は建物が建つ土地の広さです。

建物の広さは10㎡ほどの差ですが、敷地は千葉県で100㎡以上の開きがあります。

庭や駐車スペースにゆとりが欲しい方は、この差が判断材料になります。

FP伊藤

東京都のデータを見ると、注文住宅の土地取得費は3,838万円で、建設費3,469万円を上回っています。
つまり都内の注文住宅は、家より土地にお金がかかる買い物だということです。
「注文住宅は高い」と感じる原因の多くは、建物ではなく土地の値段にあります。
エリアを1駅ずらすだけで総額が数百万円変わることも珍しくないので、土地探しの段階でご相談いただくと選択肢が広がります。

【最重要】注文住宅は「本体価格+α」で考える

注文住宅で予算オーバーが起きる理由は、費用の構造にあります。

広告に出ている「本体価格」は、住める状態になるまでの総額ではないのです。

  • 付帯工事費 — 地盤改良・給排水の引き込み・電気工事など(総額の15〜20%程度が目安)
  • 外構工事費 — 駐車場・門・フェンス・庭(50万〜150万円程度)
  • 設計料・確認申請費用 — 設計事務所を使う場合は工事費の10%前後になることも
  • つなぎ融資の利息 — 着工金・中間金を先に払うため(数万〜数十万円)
  • カーテン・照明・エアコン — 標準に含まれないことが多い(20万〜50万円程度)
  • 仮住まいの家賃 — 建築期間中に二重の住居費がかかる場合がある

これらを合わせると、本体価格の2〜3割程度が上乗せになるのが一般的です。

具体的に計算してみます。

費目金額の目安
本体価格2,500万円
付帯工事費(本体の15〜20%)375万〜500万円
外構工事費100万円
カーテン・照明・エアコン35万円
建物の合計約3,010万〜3,135万円

※ 一般的な目安をもとにした試算例です。土地代・諸費用は含みません。実際の金額は仕様・地盤の状態により変わります。

本体2,500万円の家が、土地代を除いても3,000万円を超える計算になります。

一方、建売住宅は土地・建物・外構がセットの価格で提示されます。

諸費用を足せば総額がほぼ確定するため、資金計画が崩れにくいという強みがあります。

FP伊藤

ご相談でよくお聞きするのが、「打ち合わせを進めるうちに、当初予算から数百万円増えてしまった」という声です。
キッチンのグレード、床材、造作収納。
ひとつ数万円の判断が積み重なっていく構造なので、増えるのは無理もありません。
対策はシンプルで、打ち合わせに入る前に「総額の上限」を決めて、担当者に共有しておくことです。
上限を伝えておけば、その範囲での提案をしてもらえます。

建売住宅のメリット・デメリット

建売住宅のメリット

  • 価格を抑えやすい — 規格化と資材の一括仕入れによるコストダウン
  • 総額が読みやすい — 追加費用が出にくく、資金計画が崩れにくい
  • 実物を見て買える — 日当たり・広さ・周辺環境を自分の目で確認できる
  • 早く入居できる — 完成物件なら契約から1〜2ヶ月
  • 立地が良いことが多い — 分譲地は駅や生活利便施設に近い区画が選ばれやすい

建売住宅のデメリット

  • 間取り・設備・デザインの選択肢が限られる
  • 建築中の工程を確認できない(完成物件の場合)
  • 似た外観の家が並ぶことがある
  • 設備のグレードが標準仕様に固定されがち
  • 敷地が狭めで、庭や駐車スペースにゆとりが出にくい

建築中の物件という選択肢もあります

完成前の建売なら、内装や設備を一部選べる場合があります。

基礎や構造の工程を見学できることもあります。

「建売でも少しこだわりたい」という方は、完成前の物件を探すのも手です。

注文住宅のメリット・デメリット

注文住宅のメリット

  • 間取り・設備・外観を自由に決められる — 家事動線や収納を暮らしに合わせられる
  • 建築中の工程を確認できる — 基礎・構造を自分の目でチェックできる
  • 断熱・耐震などの性能を選べる — 長期優良住宅やZEH水準への対応も可能
  • 変形地・狭小地にも対応できる — 土地の条件に合わせた設計ができる
  • 敷地に余裕を持たせやすい — 庭や駐車スペースを確保しやすい

注文住宅のデメリット

  • 予算が膨らみやすい — こだわりが直接コストに反映する
  • 入居まで1年以上かかる — 土地探し・設計・工事・検査
  • 打ち合わせの負担が大きい — 数十回に及ぶこともある
  • つなぎ融資が必要になる — 着工金・中間金の支払いに対応するため
  • 完成するまで実物を見られない — イメージとの差が出ることがある

【診断】あなたはどちらが向いている?

次の表で、当てはまる項目が多いほうが向いています。

建売住宅が向いている方注文住宅が向いている方
予算の上限がはっきり決まっている間取り・デザインに強いこだわりがある
入居時期を急いでいる(入学・転勤など)入居まで1年以上待てる
実物を見てから判断したい土地の形が特殊、狭小地に建てたい
打ち合わせに時間をかけられない断熱・耐震性能を自分で選びたい
教育費・老後資金の余力を残したい予算に余裕があり、増額にも対応できる
駅近・生活利便性を優先したい庭や駐車スペースの広さを優先したい

第3の選択肢「規格住宅」

両者の中間にあたる「規格住宅(セミオーダー)」という選び方もあります。

あらかじめ用意されたプランから選ぶ方式です。

注文住宅より価格を抑えつつ、建売より自由度を確保できます。

「こだわりたいが予算は抑えたい」という方は、検討する価値があります。

注文住宅で予算オーバーを防ぐ5つのコツ

STEP
「総額の上限」を先に決めて共有する

本体価格ではなく「土地+建物+付帯工事+外構+諸費用の総額」で上限を決めます。最初の打ち合わせでハウスメーカーに伝えておけば、その範囲での提案を受けられます。

STEP
見積もりに含まれていないものを確認する

外構・カーテン・照明・空調・地盤改良が含まれているかを必ず確認します。「これ以外に必要な費用はありますか」と一度聞いておくだけで、後の想定外を減らせます。

STEP
こだわる箇所を3つに絞る

すべてにこだわると予算は必ずオーバーします。「対面キッチン」「玄関収納」「断熱性能」など上位3つを夫婦で決め、それ以外は標準仕様にする方針が有効です。

STEP
予備費を総額の5%確保する

地盤改良が必要になる、想定外の追加工事が出るといったケースに備えます。使わなければ繰り上げ返済や貯蓄に回せます。

STEP
住宅ローンの上限ではなく家計の上限で決める

「あと100万円なら借りられます」と言われても、返済は35年続きます。教育費と老後資金の積立を続けられる返済額かどうかを判断軸にしてください。

FP伊藤

5つのうち、効果が大きいのは①です。
上限を伝えていないと、担当者は「ご希望を叶える提案」を出します。
それは仕事として正しい対応ですが、こちらが上限を言わない限り、提案はふくらみ続けます。
先に「総額でここまで」と伝えておけば、その中で最善の形にしてもらえます。
この一言があるかどうかで、最終的な金額は大きく変わります。

住宅購入の流れとお金の全体像は、こちらでまとめています。

住まいの選び方は、こちらでも比較しています。

まとめ|建売と注文住宅、どちらが得か

この記事のポイント内容
基本の違い建売は完成品を買う、注文住宅はゼロから作る
実際の価格差千葉県で約1,193万円、東京都で約1,849万円(2024年度フラット35利用者調査)
月返済の差千葉県で月約3.0万円、首都圏で月約3.6万円
返済負担率どのエリアでも注文住宅のほうが高い(家計は重くなりやすい)
最大の注意点注文住宅は本体価格+2〜3割(付帯工事・外構など)で考える
建売の価値価格の確定性・実物確認・早い入居・立地の良さ
注文住宅の価値間取りと性能の自由度・建築工程の確認・敷地のゆとり
予算オーバー対策総額の上限を先に共有、こだわりは3つに絞る、予備費5%

この記事の要点

建売か注文住宅かは、価格の優劣ではなく「何を優先するか」で決まります。

ただし、どちらを選ぶにしても順番は同じです。

先に「わが家が無理なく出せる総額」を決めてから、物件や会社を探すこと。

この順番を守るだけで、予算オーバーの後悔はほとんど防げます。

わが家の「出せる総額」を先に確定させませんか

建売か注文住宅かを決める前に、無理なく出せる総額をはっきりさせておくと、その後の選択がぶれません。

伊藤FPオフィスでは、家計の数字から上限を割り出すお手伝いをしています。

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FP業界での経験
5資格
CFP®・宅建士ほか
0
商品販売の手数料収入
マイホーム購入診断
税込29,800円 / オンライン対応
  • 現状の家計・収支の整理
  • 建売と注文住宅それぞれの総額シミュレーション比較
  • 付帯工事・外構まで含めた「本当に必要な総額」の試算
  • 教育費・老後資金との両立確認(キャッシュフロー表の作成)
  • 打ち合わせ前に決めておくべき予算上限の設定

土地や建築会社を探し始める前のご相談が、最も効果を発揮します。

千葉県市川市を拠点に、対面・オンラインでご相談をお受けしています。

打ち合わせに入る前に、上限を決めておけます

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よくある質問

気になる質問をタップすると、回答が開きます。

Q. 建売と注文住宅の価格差はどのくらいですか?

住宅金融支援機構の2024年度フラット35利用者調査では、全国平均で建売3,826万円に対し土地付注文住宅は5,007万円でした。千葉県では約1,193万円、東京都では約1,849万円の差があります。ただし土地の条件や仕様によって差は大きく変わるため、必ず総額の見積もりを取って比較してください。

Q. 建売住宅の品質は大丈夫ですか?

新築住宅には10年間の瑕疵担保責任(構造・雨漏りの保証)が義務付けられており、建売も対象です。気になる場合は、購入前にホームインスペクション(住宅診断)を利用する方法もあります。住宅性能表示や長期優良住宅の認定を受けた建売物件も増えています。

Q. 注文住宅の「つなぎ融資」とは何ですか?

注文住宅では着工金・中間金を工事の進捗に応じて支払いますが、住宅ローンは建物の完成後に実行されるのが原則です。その間の資金を一時的に借りるのがつなぎ融資で、利息や手数料がかかります。金融機関によっては分割融資に対応しているところもあるため、事前に確認しましょう。

Q. 土地はどうやって探せばいいですか?

注文住宅の場合、土地探しと建築会社選びは並行して進めるのがコツです。先に土地を買ってしまうと、建築費に回せる予算が足りなくなることがあります。「土地+建物の総額」で予算配分を決めてから探し始めましょう。

Q. 建売のほうが立地が良いというのは本当ですか?

傾向としてはそう言えます。分譲地は不動産会社がまとまった土地を仕入れて開発するため、駅や生活利便施設に近い区画が出やすいためです。実際の統計でも、建売のほうが敷地は狭く、注文住宅のほうが敷地が広い結果が出ています。注文住宅で駅近の土地を探すと、土地代が大きく上がる点に注意してください。

Q. 予算が限られている場合、どちらを選ぶべきですか?

予算に余裕がない場合は、総額が確定しやすい建売住宅のほうが安全です。注文住宅は打ち合わせのたびに費用が増えやすく、当初予算から数百万円上振れすることがあります。どうしても注文住宅を選びたい場合は、総額の上限を先に伝え、予備費を5%確保したうえで進めてください。

この記事の監修者

伊藤貴徳(伊藤FPオフィス代表)
伊藤 貴徳(いとう たかのり)
伊藤FPオフィス代表/CFP®・1級FP技能士・宅地建物取引士

証券会社・不動産会社・保険会社での実務を経て、FP歴16年。2023年1月に独立し、千葉県市川市で独立系FP事務所を開設。金融商品の販売を行わない中立な立場で、住宅購入・保険見直し・ライフプラン設計の相談を行っています。不動産会社での勤務経験と宅地建物取引士の知識を活かし、物件選びと資金計画の両面からアドバイスしています。

保有資格:CFP®(CERTIFIED FINANCIAL PLANNER®)/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/トータル・ライフコンサルタント(生命保険協会認定)/宅地建物取引士/証券外務員一種
対応エリア:千葉県・東京都は対面相談可、全国オンライン対応
本記事の注意事項・免責をみる
本記事に掲載した統計は住宅金融支援機構「2024年度フラット35利用者調査」(調査期間2024年4月〜2025年3月)によるもので、フラット35を利用した方の平均値です。土地付注文住宅の総額は、建設費と土地取得費を合計した金額を記載しています。費用の目安・試算例は一般的な水準をもとにしたものであり、物件・エリア・仕様により大きく異なります。個別のご相談については、伊藤FPオフィスまでお問い合わせください。

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