「4,000万円の住宅ローンって、年収いくらあれば借りられるの?」
4,000万円は、首都圏や千葉の新築戸建・築浅マンションでボリュームゾーンとなる借入額です。
金額が大きいだけに、無理のない水準かどうかは慎重に見極めたいところです。
- 毎月の返済額は約11.3万円(金利年1.0%・35年)。維持費を足すと住居費は約14.3万円
- 必要な年収は最低542万円、推奨677万円以上(返済負担率25%/20%で逆算)
- 手取りで見ると、年収600万円では住居費が手取りの37%を占めます
- 現実的な着地点は世帯年収700万円前後。共働き前提なら収入減の期間を必ず織り込むこと
この記事では、毎月の返済額・年収別の負担感・共働きで組む場合の注意点を、試算とともに解説します。
こんな方に読んでほしい記事です
- 4,000万円前後の物件・借入を検討している
- 必要な年収・世帯年収の目安を知りたい
- 毎月の返済額・総返済額のイメージをつかみたい
- 共働きの収入で組むか迷っている
✍️ この記事の監修者
代表・監修者
伊藤 貴徳
伊藤FPオフィス 代表
千葉・東京エリアを拠点に、住宅購入前の家計相談・生命保険の見直し・ライフプラン設計を専門とする独立系FP。
銀行・保険会社とは利害関係のない中立な立場で、30〜40代の子育て世帯を中心に相談をお受けしています。
「借りられる額」ではなく「無理なく返せる額」から一緒に考えることを大切にしています。
4,000万円を借りると、毎月いくら返すのか

まず、返済額の実額を確認しましょう。
35年で借りた場合の、金利別の返済額です。
| 適用金利 | 毎月の返済額 | 総返済額 | 利息の総額 |
|---|---|---|---|
| 年0.5% | 10.4万円 | 約4,361万円 | 約361万円 |
| 年1.0% | 11.3万円 | 約4,742万円 | 約742万円 |
| 年1.5% | 12.3万円 | 約5,144万円 | 約1,144万円 |
| 年2.0% | 13.3万円 | 約5,565万円 | 約1,565万円 |
※ 借入4,000万円・返済期間35年・元利均等返済で計算した試算です。実際の金利は金融機関・審査条件・時期により異なります。
ここで見落としてはいけないのが、返済額以外にかかるお金です。
住居費は「返済額+維持費」で考えます
固定資産税、修繕費、マンションなら管理費と修繕積立金。
これらを合わせると、月3万円前後が目安になります。
つまり4,000万円を借りると、実際の住居費は月14.3万円ほどです。
この記事では、以降この14.3万円を基準に判断していきます。
必要な年収はいくらか|2つの基準で見る

必要年収の判断には、2つの物差しがあります。
基準①|返済負担率から逆算する
年収に占める年間返済額の割合が返済負担率です。
4,000万円の年間返済額は約135.5万円(金利年1.0%)。
これを負担率から逆算すると、必要な年収が出ます。
| 返済負担率 | 必要な額面年収 | 位置づけ |
|---|---|---|
| 35%以内 | 387万円以上 | 審査は通る可能性があるが、家計は厳しい |
| 30%以内 | 452万円以上 | 余裕がほとんどない |
| 25%以内 | 542万円以上 | 最低ライン |
| 20%以内 | 677万円以上 | 推奨ライン |
※ 金利年1.0%・35年で計算した試算です。維持費は含みません。
基準②|年収倍率で見る
借入額が年収の何倍かという見方もあります。
一般に年収の5〜6倍以内が無理のない範囲とされています。
| 額面年収 | 年収倍率 | 返済負担率 | 判定 |
|---|---|---|---|
| 500万円 | 8.0倍 | 27.1% | 厳しい |
| 600万円 | 6.7倍 | 22.6% | やや重い |
| 700万円 | 5.7倍 | 19.4% | 目安圏内 |
| 800万円 | 5.0倍 | 16.9% | 余裕あり |
| 900万円 | 4.4倍 | 15.1% | かなり余裕あり |
※ 金利年1.0%・35年で計算した試算です。
2つの基準を重ねると、年収700万円前後が現実的な着地点と見えてきます。
負担率で20%を切り、年収倍率も6倍以内に収まるためです。
負担率を目で見て確認する
【重要】手取りで見るとどうなるか

ここまでは額面年収の話でした。
しかし実際に暮らすのは、税金と社会保険料を引いた手取りのお金です。
手取りベースで、住居費がどれくらいの重さになるかを見てみましょう。
| 額面年収 | 手取りの月収 | 住居費14.3万円の割合 | 住居費を引いた残り |
|---|---|---|---|
| 600万円 | 約39.0万円 | 37% | 24.7万円 |
| 700万円 | 約45.5万円 | 31% | 31.2万円 |
| 800万円 | 約52.0万円 | 27% | 37.7万円 |
| 900万円 | 約58.5万円 | 24% | 44.2万円 |
※ 手取りは額面年収の約78%として計算した概算です。実際の手取りは家族構成・控除により異なります。住居費は返済11.3万円+維持費3万円で計算。
額面年収600万円だと「負担率22.6%」で一見おさまって見えます。
ところが手取りで見ると、住居費が37%を占めるのが実態です。
残る24.7万円で、食費・光熱費・通信費・保険・教育費・貯蓄のすべてをまかなうことになります。
額面の負担率だけで判断すると、実際の窮屈さを見誤ります。
住居費が手取りの3割を超えると、教育費が増える時期に貯蓄が止まりやすくなります。
FP伊藤ご相談では、必ず手取りベースの表をお見せしています。
額面年収で「25%以内だから大丈夫」と言われても、実感が湧かないんですね。
手取り39万円のうち14万円が住居費で、残り25万円。
この形で見ていただくと、多くの方が「思ったより残らない」とおっしゃいます。
判断すべきは額面ではなく、毎月の口座に入ってくるお金です。
世帯年収で組むときの注意点


4,000万円は、単独の年収で677万円に届く方が限られる価格帯です。
そのため「夫500万円+妻200万円で世帯700万円」といった形で組むケースが多くなります。
ここに、この価格帯ならではの落とし穴があります。
19.4 %
目安圏内でおさまる
27.1 %
かなり厳しい水準
配偶者の収入が途切れる期間は、必ず訪れる可能性があります。
産休・育休、時短勤務、転職、介護による離職。
その期間も、返済額は1円も変わりません。
共働きで組むときの3つの確認
産休・育休で世帯年収が1〜2年下がる期間に耐えられるか。
片方の収入だけになった期間でも、最低限は回るか。
収入合算とペアローン、どちらの組み方が合っているか。
安全ラインの考え方はシンプルです。
- 世帯収入で返済負担率25%以内 — 平常時に無理がない水準
- 主たる収入だけで35%以内 — 収入が減る期間も破綻しない水準
この二重チェックを通る借入額なら、収入の変動に耐えられます。
4,000万円を無理なく返す4つのチェックポイント


頭金を入れるとどう変わるか
| 頭金 | 借入額 | 毎月の返済額 | 頭金なしとの差 |
|---|---|---|---|
| なし | 4,000万円 | 11.3万円 | — |
| 300万円 | 3,700万円 | 10.4万円 | 月0.85万円軽くなる |
| 500万円 | 3,500万円 | 9.9万円 | 月1.41万円軽くなる |
| 800万円 | 3,200万円 | 9.0万円 | 月2.26万円軽くなる |
※ 金利年1.0%・35年で計算した試算です。
ただし、頭金を入れすぎて手元資金が枯れるのは危険です。
生活防衛資金(生活費6ヶ月分)と諸費用(250〜400万円程度)を確保したうえで、余裕資金から入れてください。
【診断】わが家は4,000万円を借りて大丈夫か


なお、3,500万円との差は毎月1.41万円、35年の総額では約593万円です。
その差で得られる立地や広さの価値と、毎月1.4万円を教育費や老後資金に回す価値。
この2つを並べて考えると、判断しやすくなります。
住宅購入の流れとお金の全体像は、こちらでまとめています。


ほかの借入額の目安は、こちらで試算しています。


まとめ|4,000万円は世帯年収700万円前後が目安


4,000万円の住宅ローンは、世帯年収700万円以上なら現実的な選択肢です。
カギは、共働き前提のリスクを織り込んだ設計と、教育費・老後まで見通した計画です。
わが家の年収で本当に大丈夫か、数字で確認しませんか
同じ年収でも、家族構成や教育方針によって余裕は大きく変わります。
伊藤FPオフィスでは、ご家庭の数字で借入額の上限を割り出しています。
- 現状の家計・収支の整理
- 世帯年収と家計にもとづく「無理なく返せる借入額」の試算
- 収入合算・ペアローン・単独の組み方比較
- 産休・育休・金利上昇シナリオのシミュレーション(キャッシュフロー表の作成)
- 団信と既存保険の重複チェック
千葉県市川市を拠点に、対面・オンラインでご相談をお受けしています。
よくある質問
気になる質問をタップすると、回答が開きます。
Q. 年収600万円の単独で4,000万円は無理がありますか?
返済負担率は約22.6%で、審査は通る可能性が高い水準です。ただし手取りで見ると住居費が37%を占め、残りは月24.7万円になります。教育費の予定が軽い、頭金で借入を圧縮できる、昇給の見込みが堅いといった条件がそろえば現実的ですが、そうでなければ借入額を抑えるほうが安全です。
Q. 世帯年収700万円(500万+200万)で組んで大丈夫ですか?
世帯の負担率は約19.4%で目安圏内です。ただし配偶者の収入が途切れる期間のテストが欠かせません。主収入500万円だけの期間は負担率27.1%まで上がります。この期間の家計が回る設計(貯蓄のクッション、支出を減らせる余地)を作ってから組みましょう。
Q. 4,000万円と3,500万円で迷っています
差額500万円で毎月の返済は約1.41万円、35年の総額では約593万円の差です(金利年1.0%の試算)。その差で得られる立地や広さの価値と、毎月1.4万円を教育費・老後資金に回す価値を比べてください。キャッシュフロー表で両方のパターンを並べると判断しやすくなります。
Q. 頭金はいくら入れるべきですか?
生活防衛資金(生活費6ヶ月分)と諸費用(250〜400万円程度)を除いた余裕資金が頭金の候補です。頭金500万円で毎月約1.41万円軽くなります。ただし教育費の支払いが近いご家庭は、頭金より手元資金を優先するほうが安全です。
Q. 変動金利で借りて大丈夫でしょうか?
金利が1.0%から2.0%に上がると、毎月の返済は約2万円増え、35年の総額では約823万円の差になります。この増加に耐えられるか、繰り上げ返済で対抗できる貯蓄があるかが判断の分かれ目です。耐えられないと感じるなら、固定金利や借入額の圧縮を検討してください。
Q. ボーナス払いを併用すれば余裕が出ますか?
毎月の返済額は下がりますが、家計の安全性はむしろ下がります。ボーナスは業績によって変動し、支給されない年もあり得るためです。毎月の返済だけで成立する設計にしておき、ボーナスは繰り上げ返済や教育費の積立に回すほうが安全です。
この記事の監修者


証券会社・不動産会社・保険会社での実務を経て、FP歴16年。2023年1月に独立し、千葉県市川市で独立系FP事務所を開設。金融商品の販売を行わない中立な立場で、住宅購入・保険見直し・ライフプラン設計の相談を行っています。借入額のご相談では、額面ではなく手取りベースで家計が回るかを必ず確認しています。
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