3500万円の住宅ローン 年収別の返済額シミュレーション

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「3,500万円の住宅ローンを組んだら、毎月いくら返すことになるのか」

「自分の年収で3,500万円は無理のない金額なのか」

千葉・東京エリアで住宅を検討すると、3,500万円前後の借入を考える方は多くいらっしゃいます。

よく紹介されるのが「返済負担率25%以内なら年収475万円で借りられる」という目安です。

この目安は、額面年収をもとにした計算です。

手取りと維持費で計算し直すと、まったく違う数字が出てきます。

この記事の結論
  1. 3,500万円の返済は月98,800円(変動1.0%・35年)
  2. 年収475万円だと、住居費が手取りの43.7%を占めます
  3. 無理なく返せるのは世帯年収700万円前後からが現実的です
  4. 年収600万円なら、頭金600万円ほど入れて借入を減らす設計になります

こんな方に読んでほしい記事です

  • 3,500万円前後の住宅購入・借入を検討している
  • 自分の年収で無理がないか知りたい
  • 「3,500万円はきつい」という声が気になっている
  • 毎月の返済額・総返済額のイメージをつかみたい

✍️ この記事の監修者

伊藤FPオフィス代表 伊藤貴徳

代表・監修者

伊藤 貴徳

伊藤FPオフィス 代表

CFP®認定者 1級FP技能士 宅地建物取引士 証券外務員1種

千葉・東京エリアを拠点に、住宅購入前の家計相談・生命保険の見直し・ライフプラン設計を専門とする独立系FP。
家計全体の視点から、30〜40代の子育て世帯を中心に相談をお受けしています。
「借りられる額」ではなく「無理なく返せる額」から一緒に考えることを大切にしています。

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目次

3,500万円の返済額はいくらか

まず、毎月の返済額を金利タイプ別に確認します。

35年返済・元利均等・ボーナス払いなしの場合です。

金利タイプ(2026年8月時点の水準)毎月の返済額総返済額利息の総額
変動金利 年1.0%98,800円約4,150万円約650万円
固定金利 年1.5%107,165円約4,501万円約1,001万円
【フラット35】 年3.290%140,426円約5,898万円約2,398万円

※【フラット35】は2026年8月の最頻金利(借入期間21年以上35年以下・融資率9割以下)です。変動金利は各金融機関の公表水準をもとにした目安で、審査結果により異なります。

変動金利と全期間固定では、毎月41,626円の差が出ます。

35年間の総返済額では1,748万円の差です。

ただし変動金利は、借りたあとに金利が上がる可能性があります。

「どちらが得か」ではなく、「金利が上がったときに家計が耐えられるか」で選んでください。

返済期間を変えるとどうなるか

返済期間毎月の返済額総返済額35歳で借りた場合の完済年齢
25年131,905円約3,957万円60歳
30年112,574円約4,053万円65歳
35年98,800円約4,150万円70歳
40年88,500円約4,248万円75歳

※ 変動金利年1.0%での試算です。

期間を長くすると毎月の負担は軽くなりますが、利息の総額は増え、完済年齢も遅くなります。

「定年までに完済できる期間か」を先に確認してください。

35歳で40年ローンを組むと、完済は75歳です。

退職後15年間も返済が続く計画になるため、繰り上げ返済(ローンを早めに返すこと)の計画とセットで考える必要があります。

【重要】必要年収を額面で見ると判断を誤ります

「3,500万円 必要年収」で検索すると、次のような目安が出てきます。

基準必要な額面年収の目安
返済負担率25%以内約475万円以上
返済負担率20%以内約593万円以上

計算自体は正しいのですが、この目安には2つの問題があります。

  • 額面年収で計算している — 実際に使えるのは手取りです
  • ローン返済だけを見ている — 持ち家には管理費・修繕積立金・固定資産税がかかります

持ち家の維持費は、国土交通省「令和5年度マンション総合調査」をもとに計算すると次のとおりです。

ローン返済以外にかかる費用(月あたり)マンション戸建て
管理費11,503円—
修繕積立金13,054円約16,700円(30年で600万円を積む想定)
固定資産税・都市計画税約10,000円約10,000円
火災保険・地震保険約1,700円約2,500円
合計約36,200円約29,200円

※ 管理費・修繕積立金は国土交通省「令和5年度マンション総合調査」の月額平均です。固定資産税は物件の評価額によって大きく異なります(ここでは年12万円と仮定)。

つまりマンションなら、返済98,800円に36,200円が加わって住居費は月135,000円になります。

これを手取り年収で見ると、こうなります。

額面400万円(手取り312万円) 51.9%
住居費が手取りの半分を超えます
額面475万円(手取り370万円) 43.7%
「最低ライン」とされる年収でもこの水準です
額面500万円(手取り390万円) 41.5%
額面600万円(手取り468万円) 34.6%
額面700万円(手取り546万円) 29.7%
ここでようやく3割を切ります
額面800万円(手取り624万円) 26.0%

※ 住居費(返済98,800円+マンション維持費36,200円=135,000円)が手取り月収に占める割合です。手取りは額面の78%と仮定しています。

⚠️

「年収475万円が最低ライン」という目安は、実態と大きくずれています。
額面の返済負担率では25%に収まりますが、手取りと維持費で計算すると住居費は43.7%を占めます。この水準では、教育費や老後資金に回すお金がほとんど残りません。

住居費の目安は、手取りの25〜30%以内です。

この基準で3,500万円を借りるのに必要な年収を逆算しました。

住居費の基準マンションの場合戸建ての場合
手取りの25%以内(ゆとりあり)額面 約831万円額面 約788万円
手取りの28%以内額面 約742万円額面 約703万円
手取りの30%以内(上限の目安)額面 約692万円額面 約656万円

※ 借入3,500万円・変動金利1.0%・35年での試算です。頭金を入れて借入額を減らせば、必要な年収も下がります。

頭金なしで3,500万円を借りるなら、世帯年収700万円前後からが現実的な水準です。

FP伊藤

こう書くと「うちには無理だ」と感じられるかもしれません。
けれども、これは頭金なしで3,500万円を借りる場合の話です。
共働きで世帯年収700万円という家庭は、決して珍しくありません。
また頭金を入れれば、必要な年収は下がります。
大切なのは「借りられるか」ではなく、「わが家の数字だとどういう組み合わせになるか」を先に知っておくことです。

年収別・無理なく返せる借入額

逆に、年収からいくらまで借りられるかを計算しました。

マンションを購入する場合(維持費36,200円)の目安です。

額面年収住居費を手取りの25%に収める場合28%の場合30%の場合
500万円約1,596万円約2,057万円約2,363万円
600万円約2,172万円約2,556万円約2,862万円
700万円約2,747万円約3,206万円約3,563万円
800万円約3,323万円約3,848万円約4,199万円

※ 変動金利1.0%・35年・元利均等返済での試算です。戸建ての場合は維持費が少ないぶん、これより300万円ほど多く借りられる計算になります。

年収600万円の方が3,500万円の物件を買うなら、600万円ほどの頭金を入れて借入を2,900万円に抑えるのがひとつの現実的な設計です。

銀行が貸す年収と、無理なく返せる年収の差

ここで、もうひとつ知っておきたいことがあります。

銀行は、思っているより多く貸してくれます。

変動金利で借りる場合、多くの金融機関は実際の金利ではなく「審査金利」(一般に年3〜4%)で返済負担率を計算します。

審査金利3.5%で3,500万円を借りる場合、審査上の返済額は月144,652円(年173.6万円)になります。

返済負担率35%を基準にすると、必要な年収は496万円です。

銀行が「貸せる」と判断する年収
額面 496 万円
審査金利3.5%・返済負担率35%
VS
無理なく返せる年収
額面 692 万円
住居費が手取りの30%以内

その差は 約200万円

※ 審査金利は金融機関ごとに異なり、公表されていません。ここでは一般に言われる3.5%を用いた試算です。

年収500万円の方が事前審査を受ければ、「3,500万円まで借りられます」と言われる可能性は十分にあります。

その金額は、返せる金額ではありません。

審査は「貸しても回収できるか」の基準で行われており、あなたの教育費の予定や老後の暮らしまでは考慮されていないからです。

「きつい」と言われる3つの理由

ネット上では「3,500万円のローンはきつい」という声も見かけます。

その理由を、数字で確認します。

① 審査に通る額いっぱいまで借りてしまう

前の章で見たとおり、銀行の審査は年収496万円でも通ります。

しかしその年収だと、住居費が手取りの42%前後を占めます。

「借りられた金額」で物件を決めると、この状態になります。

② 教育費のピークとローン返済が重なる

子どもが高校・大学に進学する時期は、教育費が一気に増えます。

年収600万円の家庭で、教育費が年150万円かかる時期の家計を見てみましょう。

手取り月収39.0万円の使いみち(教育費ピーク期) 39.0万円
住居費(返済9.88万円+維持費3.62万円) 13.5万円
手取りの34.6%
教育費(年150万円) 12.5万円
子ども2人が高校・大学に通う時期の目安
残り(食費・光熱費・通信費・保険・車・貯蓄) 13.0万円
この金額で、他のすべてをまかなうことになります

※ 額面年収600万円・手取りを額面の78%と仮定した試算です。教育費は進路・人数によって大きく異なります。

残るのは月13.0万円です。

食費・光熱費・通信費・保険・車の維持費をすべてまかない、さらに老後資金も貯める必要があります。

この時期に貯蓄を取り崩す家計になると、老後の準備が止まります。

「今の家計」ではなく「教育費ピーク時の家計」で試算する。

これが、住宅ローンで失敗しないための最も重要な確認です。

③ 金利上昇への備えがない

変動金利で借りた場合、金利が上がれば返済額も増えます。

借入3,500万円・35年で計算しました。

金利毎月の返済額1.0%のときからの増加
1.0%(2026年8月の水準)98,800円—
1.5%107,165円+8,365円
2.0%115,942円+17,142円
2.5%125,123円+26,323円
3.0%134,698円+35,898円

※ 借入直後に金利が変わった場合の試算です。実際には残高が減っていくため、上昇時期によって増加額は変わります。

金利が2%になれば月17,142円、3%なら35,898円の増加です。

「金利が2%になっても返せるか」を確認してから、変動金利を選んでください。

なお、産休・育休・転職などで収入が減る時期もあります。

金利上昇と収入減が重なった場合まで想定しておくと安心です。

無理なく返すための4つの対策

1
頭金で借入額を減らす
最も効果が確実な方法です。頭金500万円を入れて借入を3,000万円にすると、毎月の返済は98,800円から84,686円へ、月14,114円軽くなります。ただし生活防衛資金(生活費の6ヶ月分程度)を残すことが前提です。
頭金借入額毎月の返済額軽減額
0円3,500万円98,800円—
300万円3,200万円90,331円▲8,469円
500万円3,000万円84,686円▲14,114円
700万円2,800万円79,040円▲19,760円
1,000万円2,500万円70,571円▲28,229円

※ 変動金利1.0%・35年での試算です。

2
ボーナス払いに頼らない
ボーナスは景気や業績で変動する収入です。毎月払いだけで無理のない返済額に設定し、ボーナスは貯蓄や繰り上げ返済に回すほうが安全です。ボーナスが出ない年があっても、家計が揺らぎません。
3
金利タイプと金融機関を比較する
同じ3,500万円でも、金利が0.2%違えば総返済額は130万円以上変わります。複数の金融機関で事前審査を受けて条件を比較してください。ただし短期間に多数申し込むと信用情報に記録が残るため、2〜3行に絞りましょう。
4
教育費ピーク時の家計で試算する
教育費のピーク・車の買い替え・老後資金まで含めたキャッシュフロー表(年ごとの収入・支出・貯蓄残高を一覧にした表)を作ります。「今の家計で払えるか」ではなく「10年後・15年後の家計で払えるか」で判断してください。

この4つのうち、最も効果が大きいのは1つ目の頭金です。

そして最も重要なのは4つ目の試算です。

金利や金融機関の比較は数十万円の差ですが、借入額の設定を誤ると数百万円の差になります。

もう少し借入額が大きい場合の目安は、こちらで試算しています。

まとめ|3,500万円が無理かどうかは、年収だけでは決まりません

この記事の要点
1 3,500万円の返済は月98,800円(変動1.0%・35年)。フラット35なら140,426円
2 額面の返済負担率で見る目安(年収475万円)は、手取りと維持費で計算すると成り立たない
3 マンションの維持費は月36,200円。住居費は135,000円になる
4 住居費を手取りの30%以内に収めるなら、頭金なしで必要な年収は約692万円
5 銀行が貸せると判断する年収(496万円)との差は約200万円
6 教育費ピーク期には、年収600万円でも手元に月13.0万円しか残らない
7 年収600万円で3,500万円の物件なら、頭金600万円ほどが現実的な設計

3,500万円が無理かどうかは、年収だけでは決まりません。

家族構成・教育方針・働き方・頭金・購入する住宅の種類。

これらの組み合わせで、答えは大きく変わります。

だからこそ、一般的な目安ではなく、わが家の数字で確認する価値があります。

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維持費まで含めた住居費、教育費ピーク時の家計、金利が上がった場合の返済額。

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よくある質問

気になる質問をタップすると、回答が開きます。

Q. 年収500万円で3,500万円の借入は無理がありますか?

頭金なしだと、かなり厳しい水準です。額面の返済負担率では23.7%に収まりますが、手取り390万円に対して住居費(返済+マンション維持費)は月13.5万円となり、手取りの41.5%を占めます。共働きで世帯収入に余裕がある、頭金で借入額を減らせる、戸建てで維持費が抑えられるといった条件があれば現実的になります。

Q. 世帯年収600万円(夫400万+妻200万)でも大丈夫ですか?

世帯で見れば住居費は手取りの34.6%です。上限の目安である30%をやや超えるため、頭金で借入額を調整したい水準です。また共働き前提のローンでは、産休・育休・時短勤務による収入減の期間を必ず織り込んでください。妻の収入が一時的にゼロに近くなる期間があるなら、その間も夫の収入だけで返せるかが判断の基準になります。

Q. 銀行は3,500万円まで貸せると言っています。借りて大丈夫ですか?

審査に通ることと、無理なく返せることは別です。変動金利で借りる場合、多くの金融機関は審査金利(一般に年3〜4%)で計算しており、年収496万円でも3,500万円の審査に通る計算になります。一方、住居費を手取りの30%以内に収めるために必要な年収は約692万円です。約200万円の差があることを知ったうえで判断してください。

Q. 変動と固定、結局どちらを選べばいいですか?

どちらが得かは将来の金利次第で、事前には誰にもわかりません。判断の基準は「金利が上がったときに家計が耐えられるか」です。3,500万円・35年の場合、金利が2%になると月17,142円、3%になると月35,898円の増加になります。この増加に耐えられるなら変動、返済額を確定させて安心したいなら固定が向いています。

Q. 頭金はいくら入れるべきですか?

「いくら入れるか」より「いくら残すか」から考えてください。生活防衛資金(生活費の6ヶ月分程度)と、諸費用(新築なら物件価格の3〜4%、中古なら7〜8%が目安)、引っ越し・家具家電の費用を確保したうえで、残りが頭金に回せる金額です。なお頭金500万円で毎月の返済は14,114円軽くなります。

Q. 40年ローンなら月々が楽になりますか?

毎月の返済は88,500円まで下がりますが、35歳で借りると完済は75歳です。退職後15年間も返済が続く計画になります。また利息の総額は35年より98万円増えます。毎月を軽くしたいなら、期間を延ばすより頭金で借入額を減らすほうが安全です。

Q. 試算どおりの金額で借りられますか?

本記事の金額は、2026年8月時点の一般的な金利水準による試算です。実際の適用金利は、金融機関・審査結果・借入時期によって異なります。正確な返済額は、金融機関の事前審査やシミュレーションでご確認ください。

この記事の監修者

伊藤貴徳(伊藤FPオフィス代表)
伊藤 貴徳(いとう たかのり)
伊藤FPオフィス代表/CFP®・1級FP技能士・宅地建物取引士

証券会社・不動産会社・保険会社での実務を経て、FP歴16年。2023年1月に独立し、千葉県市川市で独立系FP事務所を開設。家計全体の視点から、住宅購入・住宅ローンの見直し・ライフプラン設計の相談を行っています。住宅ローンのご相談では、額面年収の返済負担率ではなく「手取りと維持費で見た住居費」で予算を決めることを一貫してお伝えしています。

保有資格:CFP®(CERTIFIED FINANCIAL PLANNER®)/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/宅地建物取引士/トータル・ライフコンサルタント(生命保険協会認定)/証券外務員一種
対応エリア:千葉県・東京都は対面相談可、全国オンライン対応
本記事の出典・試算条件をみる
返済額はすべて元利均等返済・ボーナス返済なしで計算した試算です。マンションの管理費(月11,503円)・修繕積立金(月13,054円)は、国土交通省「令和5年度マンション総合調査」の月額平均によります。固定資産税・都市計画税は年12万円、火災保険はマンション年2万円・戸建て年3万円、戸建ての修繕費は30年で600万円かかると仮定した目安であり、物件の評価額・構造・所在地によって大きく異なります。【フラット35】の金利は住宅金融支援機構が公表する2026年8月適用分の最頻金利(借入期間21年以上35年以下・融資率9割以下)です。手取り年収は額面の78%と仮定しています。審査金利は各金融機関が公表していないため、一般に言われる水準(年3.5%)を用いた試算です。教育費の金額は進路・人数によって大きく異なります。本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の物件・金融機関・金融商品の勧誘や推奨を行うものではありません。個別のご相談については、伊藤FPオフィスまでお問い合わせください。

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