「住宅ローンの審査、うちは通るのだろうか」
「車のローンや奨学金があるけれど、影響しないだろうか」
物件探しが本格化するほど、審査への不安は大きくなるものです。
この記事では、国土交通省が全国994の金融機関に聞いた最新調査をもとに、審査で実際に見られている項目と、その基準値を紹介します。
そのうえで、多くの方が知らないまま物件探しを始めてしまう「審査金利」という仕組みを計算で確認します。
- 審査の基準値は、思われているほど厳しくありません(勤続1年以上が最多)
- ただし借入可能額は「審査金利」3〜4%で計算されます
- 年収600万円なら、見かけ6,199万円が実際は4,234万円になります
- ほかの借入は月1万円につき242万円、借入可能額を削ります
こんな方に読んでほしい記事です
- 住宅購入を検討中で、審査に通るか不安がある
- 車のローンや奨学金など、ほかの借入がある
- 転職して間もない・雇用形態に不安がある
- 事前審査で思ったより低い金額を提示された
✍️ この記事の監修者
代表・監修者
伊藤 貴徳
伊藤FPオフィス 代表
千葉・東京エリアを拠点に、住宅購入前の家計相談・生命保険の見直し・ライフプラン設計を専門とする独立系FP。
銀行・保険会社とは利害関係のない中立な立場で、30〜40代の子育て世帯を中心に相談をお受けしています。
「借りられる額」ではなく「無理なく返せる額」から一緒に考えることを大切にしています。
審査の流れと、実際に見られている項目

住宅ローンの審査は、「事前審査(仮審査)」と「本審査」の2段階です。
| 項目 | 事前審査(仮審査) | 本審査 |
|---|---|---|
| タイミング | 物件の購入申し込み前後 | 売買契約の締結後 |
| 審査期間の目安 | 数日〜1週間程度 | 1〜2週間程度 |
| 主なチェック内容 | 年収・借入状況などの簡易確認 | 書類の裏付け・団信の告知・物件の担保評価 |
| 必要書類の例 | 本人確認書類・収入がわかる書類など | 住民票・課税証明書・売買契約書など |
※ 審査期間は金融機関や時期によって異なります。
事前審査は「この人になら、いくらまで貸せそうか」の簡易チェックです。
本審査では、書類の裏付け確認に加えて、団体信用生命保険(団信。ローン返済中に亡くなった場合に残りのローンがゼロになる保険)の健康告知と、物件の担保評価が加わります。
事前審査に通っても、本審査で落ちるケースはあります。
特に「事前審査後の転職・新たな借入」と「団信の健康告知」が、代表的なつまずきポイントです。
金融機関が見ている21項目
国土交通省「令和7年度 民間住宅ローンの実態に関する調査」(2026年3月発行)では、全国994の金融機関に審査項目を聞いています。
割合の高い順に並べたのが次のグラフです。
※ 出典:国土交通省「令和7年度 民間住宅ローンの実態に関する調査」(回答994機関・複数回答)
注目したいのは、「年収」よりも「完済時年齢」「健康状態」が上位にあることです。
審査は「いくら稼いでいるか」だけでなく、「完済まで無理なく返し続けられるか」を総合的に見ています。
FP伊藤見落とされがちなのが、8番目の「金融機関の営業エリア」(89.2%)です。
調査では「エリア内に居住していること」を条件とする回答が811件ありました。
ネットで金利の低い銀行を見つけても、住んでいる地域や勤務先が営業エリア外ならそもそも申し込めないことがあります。
金利だけで金融機関を選ぶ前に、営業エリアを確認してください。
もうひとつ知っておきたいのが、審査の進め方です。
同じ調査によると、約6割(59.9%)の金融機関がスコアリング方式(点数による自動審査)を使っていません。
つまり多くの場合、機械ではなく人が総合的に判断しています。
ひとつの項目が基準に届かなくても、ほかの要素で補える余地があるということです。
【実データ】審査の基準値は、思うほど厳しくない


同じ調査の資料編には、各項目の「具体的な基準」まで集計されています。
ここを読むと、審査のイメージがかなり変わります。
| 完済時年齢の上限 | 回答した金融機関数 |
|---|---|
| 85歳未満 | 65 |
| 80歳未満 | 716(最多) |
| 75歳未満 | 42 |
| 70歳未満 | 5 |
| 上限なし | 2 |
| その他 | 158 |
圧倒的多数が「80歳未満」です。
35年ローンを組むなら、45歳までの借入なら上限に収まる計算になります。
それを過ぎると借入期間が短くなり、月々の返済額が増えます。
4,000万円を金利1.0%で借りる場合、借入年齢によってこう変わります。
| 借入時の年齢 | 組める最長期間 | 月々の返済額 |
|---|---|---|
| 40歳 | 35年 | 11.29万円 |
| 45歳 | 35年 | 11.29万円 |
| 50歳 | 30年 | 12.87万円(+1.58万円) |
| 55歳 | 25年 | 15.07万円(+3.78万円) |
| 60歳 | 20年 | 18.40万円(+7.11万円) |
※ 元利均等返済・金利1.0%・完済時年齢80歳未満を前提とした試算です。
45歳が、ひとつの分かれ目になります。
ただし「80歳まで借りられる」ことと「80歳まで返し続けられる」ことは別問題です。
定年後の収入も踏まえて、退職までに返済のメドが立つ計画かを確認しましょう。
「勤続3年以上でないと通らない」という話をよく聞きます。
しかし実データでは、3年以上を求める金融機関は128機関にとどまり、「1年以上」が612機関で圧倒的多数でした。
転職が一般化したことで、審査の基準も変わってきています。
年収基準を具体的に答えた金融機関の内訳です。
| 年収の下限 | 回答した金融機関数 |
|---|---|
| 100万円以上 | 288 |
| 150万円以上 | 390(最多) |
| 200万円以上 | 67 |
| 250万円以上 | 24 |
| その他 | 184 |
年収300万円以上を条件とする回答は、ひとつもありませんでした。
年収そのものがハードルになるケースは、実は多くありません。
問題になるのは年収の高さではなく、その年収に対して借入額が大きすぎることです。
返済負担率とは、年収に占める年間返済額の割合です。
具体的な上限を答えた188の金融機関の内訳を見ると、意外な結果でした。
| 返済負担率の上限 | 回答した金融機関数 |
|---|---|
| 50%以内 | 2 |
| 45%以内 | 4 |
| 40%以内 | 74(最多) |
| 35%以内 | 58 |
| 30%以内 | 39 |
| 20%以内 | 6 |
よく紹介される「年収の30〜35%まで」より、実際にはもう一段ゆるい40%が最多でした。
つまり金融機関は、思っているより多く貸してくれます。
これは安心材料ではなく、注意点です。
貸してくれる額と、返せる額は違うからです。
「自営業だと住宅ローンは組みにくい」とよく言われます。
しかし調査結果は、少し違う姿を示しています。
| 対象外としている雇用形態 | 回答件数 |
|---|---|
| 派遣社員は対象外 | 368件 |
| 契約社員は対象外 | 312件 |
| 自営業者は対象外 | 10件 |
| その他 | 228件 |
※ 雇用形態を審査項目とする702機関による複数回答です。
自営業者を対象外とする回答は、わずか10件でした。
自営業だから借りられないわけではありません。
求められるのは、直近2〜3年分の確定申告書で所得の安定性を示すことです。
むしろ審査上きびしいのは、派遣社員・契約社員の方です。
この場合は、収入基準が明確な【フラット35】が有力な選択肢になります。
物件価格に対して何%まで貸すか(融資率)の内訳です。
| 融資率の上限 | 回答した金融機関数 |
|---|---|
| 80%以内 | 40 |
| 90%以内 | 8 |
| 100%以内(物件価格まで) | 380(最多) |
| 110%以内 | 38 |
| 120%以内 | 20 |
| 150%以内 | 16 |
物件価格まで(フルローン)は380機関が対応しています。
一方、諸費用まで含めて借りられる110%以上は、合計74機関にとどまります。
諸費用(物件価格の5〜10%が目安)は、現金で用意するつもりで準備しておくのが安全です。
【核心】借入可能額を削る「審査金利」の壁
ここからが、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。
多くの方が、次のように考えて物件を探し始めます。
「年収600万円だから、返済負担率35%なら年210万円まで。変動金利1%なら6,000万円くらい借りられるはず」
この計算は、実務では成り立ちません。
変動金利で借りる場合、多くの金融機関は実際の金利ではなく「審査金利」で返済負担率を計算します。
審査金利は公表されていませんが、一般に年3〜4%程度といわれています。
将来の金利上昇に耐えられるかを確かめるための仕組みです。
年収600万円の方で計算すると、こうなります。
万円 借りられるはず
万円 が上限
同じ年収でも、1,965万円の差が出ます
※ 年収600万円・返済負担率35%・35年・元利均等返済での試算です。審査金利は金融機関ごとに異なり、公表されていません。ここでは一般に言われる3.5%を用いています。
年収別に並べると、次のとおりです。
| 年収 | 実行金利1.0%で計算した額 | 審査金利3.5%で計算した額 | 差 |
|---|---|---|---|
| 400万円 | 4,133万円 | 2,823万円 | ▲1,310万円 |
| 500万円 | 5,166万円 | 3,529万円 | ▲1,638万円 |
| 600万円 | 6,199万円 | 4,234万円 | ▲1,965万円 |
| 700万円 | 7,233万円 | 4,940万円 | ▲2,293万円 |
| 800万円 | 8,266万円 | 5,646万円 | ▲2,620万円 |
※ 返済負担率35%・35年での試算です。年収400万円未満は30%が基準になる場合があります。
「思ったより借りられなかった」の正体は、たいていこれです。
事前審査で予想より低い金額を提示されても、審査に落ちたわけでも、信用情報に問題があるわけでもありません。



この仕組みは、実は借りる側を守っています。
変動金利は、借りたあとに金利が上がる可能性があります。
金融機関は「金利が3.5%まで上がっても返せるか」を確かめたうえで貸しているのです。
審査金利で計算した金額に収まっているなら、金利上昇にもある程度耐えられる設計だとお考えください。
ほかの借入は、借入可能額をいくら削るか
返済負担率には、住宅ローン以外の借入の返済額も含まれます。
自動車ローン、カードローン、クレジットカードのリボ払い、奨学金、スマホ端末の分割払いも対象です。
これらが借入可能額をいくら減らすのかを計算しました。
| ほかの借入の月々の返済額 | 住宅ローンの借入可能額が減る額 |
|---|---|
| 月5,000円(スマホ端末の分割など) | ▲121万円 |
| 月1万円(奨学金など) | ▲242万円 |
| 月1.5万円 | ▲363万円 |
| 月2万円 | ▲484万円 |
| 月2.5万円(自動車ローンなど) | ▲605万円 |
| 月3万円 | ▲726万円 |
※ 審査金利3.5%・35年での試算です。金融機関によって扱いは異なります。
月2.5万円の自動車ローンは、住宅ローンの枠を605万円分ふさいでいます。
残債が60万円しかなくても、審査では「月2.5万円を返している人」として扱われます。貯蓄に余裕があるなら、事前審査の前に完済しておくことで605万円分の枠が戻る計算になります。
使っていないクレジットカードのキャッシング枠も、借入とみなされることがあります。
枠を残したまま使っていないカードは、解約するか枠をゼロにしておくのが有効です。
申し込み前に確認すべき7つのポイント


ここまでの内容を、行動に落とし込みます。
- 完済時年齢 — 80歳未満が最多。45歳を過ぎると期間が短くなり月返済が増える
- 健康状態 — 団信に加入できるか。834機関が団信加入を必須としている
- 返済負担率 — 審査金利3〜4%で計算される。実行金利での計算は当てにならない
- ほかの借入 — 月1万円につき242万円の枠が消える。完済できるものは整理する
- 個人信用情報 — 延滞の記録がないか。不安なら本人開示で確認できる
- 勤続年数 — 1年以上でよい機関が多数。ただし審査中の転職は厳禁
- 頭金・諸費用 — 諸費用まで借りられる機関は74件のみ。現金で準備する
健康状態に不安がある場合の選択肢
持病や通院歴・服薬歴があると、団信の審査に通らず、結果として住宅ローン自体が組めないことがあります。
その場合も、次の選択肢があります。
- ワイド団信 — 引受基準が緩和された団信。金利が0.3%程度上乗せされるのが一般的
- 【フラット35】 — 団信への加入が任意。健康上の理由で加入できない場合も借りられる
- 配偶者名義での借入 — 健康な側が主債務者になる方法
健康に不安がある方は、物件を決める前に選択肢を整理しておくと安心です。
信用情報は自分で確認できます
クレジットカードやローンの利用履歴は、信用情報機関(CIC・JICCなど)に記録されています。
過去の長期延滞や債務整理などの記録があると、審査は非常に厳しくなります。
心当たりがある方は、本人開示を請求して事前に確認できます(手数料は数百円〜1,000円程度が目安)。
スマホ料金の支払い遅れも、端末の分割払いがある場合は信用情報に残ります。
審査を有利に進める準備スケジュール
審査の準備は、購入の半年〜1年前から始めるのが理想です。
※ スケジュールは一般的な目安です。物件や金融機関によって前後します。
審査で必要になる主な書類
| 段階 | 主な必要書類 |
|---|---|
| 事前審査 | 本人確認書類(運転免許証など)/源泉徴収票(直近分)/借入中ローンの返済予定表など |
| 本審査 | 住民票/印鑑証明書/課税証明書/売買契約書・重要事項説明書/団信の告知書など |
※ 必要書類は金融機関・物件種別によって異なります。
ペアローンや収入合算を使う場合は、夫婦2人分の書類が必要になります。
審査前後にやってはいけないこと
- 事前審査のあとに、車など大きな買い物をローンで組む
- 事前審査のあとに転職する(本審査前・融資実行前はとくに危険)
- クレジットカードやスマホ料金の支払いを延滞する
- 申込書に年収・借入を実際と違う内容で書く(うっかりの記入漏れも不利になります)
- 短期間に多数の金融機関へ申し込む(申込情報も信用情報に記録されます)
対策はシンプルです。
申し込みから融資実行までの期間は、家計の現状維持を徹底する。
これだけで、防げるトラブルの大半は防げます。
なお、審査基準は金融機関ごとに異なります。
1つの銀行に落ちても、別の金融機関では通るケースは珍しくありません。
落ちた場合は原因を整理して、条件の合う金融機関を選び直しましょう。
「審査に通る額」と「無理なく返せる額」は別物です


最後に、いちばん大切な話をします。
審査金利で絞られた金額でも、それは「無理なく返せる額」ではありません。
年収600万円の方で確認します。
審査金利3.5%で計算した借入上限は4,234万円でした。
この金額を実際の金利1.0%で35年返すと、月々11.95万円です。
手取り年収は約468万円、月あたり39.0万円。
返済が手取りの31%を占めることになります。
月々の返済 11.95万円
手取りの31%
月々の返済 7.8万〜9.8万円
手取りの20〜25%
その差は 780万〜1,470万円
※ 年収600万円・手取り約468万円(額面の78%と仮定)・金利1.0%・35年での試算です。手取り額や適正な返済割合は、家族構成・教育費・働き方によって異なります。
この780万〜1,470万円の差を埋めるのは、子どもの教育費や老後資金に回すはずだったお金です。
千葉・東京エリアは物件価格が高く、「審査には通るけれど、家計には重すぎる金額」を提示されやすい地域です。
不動産会社や銀行は「借りられる額」を教えてくれます。
しかし「あなたの家計で無理なく返せる額」までは教えてくれません。
2026年の金利環境も確認しておきましょう
2026年は、住宅ローンを取り巻く環境が動いています。
日本銀行の利上げが続き、政策金利は1.00%となりました。
2026年8月時点の水準は次のとおりです。
| 金利タイプ | 2026年8月時点の目安 |
|---|---|
| 変動金利 | 年0.9〜1.2%程度(金融機関・条件により異なります) |
| 【フラット35】(21年以上35年以下・融資率9割以下) | 年3.290%(最頻金利) |
※ 出典:住宅金融支援機構【フラット35】2026年8月の金利。変動金利は各金融機関の公表水準です。
金利が上がると、同じ返済額で借りられる金額は減ります。
月々9万円を返す前提で35年借りる場合、こう変わります。
数年前に立てた資金計画のままだと、前提が変わっている可能性があります。
物件探しを再開する方は、返済額の試算からやり直してください。
変動金利と固定金利は「どちらが得か」ではなく、金利上昇時に家計が耐えられるかどうかで選ぶのが基本です。
| 金利タイプ | 特徴 | 向いている考え方の例 |
|---|---|---|
| 変動金利 | 金利水準は低めだが、上昇すると返済額が増える | 貯蓄に余裕があり、金利上昇時に繰り上げ返済(ローンを早めに返すこと)などで対応できる |
| 固定金利 | 金利水準は高めだが、返済額が完済まで確定する | 教育費のピークが近いなど、将来の支出を確定させて安心したい |
なお、入居後は住宅ローン控除(毎年のローン残高に応じて税金が戻る制度。自分が住んでいる家に適用されます)も家計の助けになります。
ただし控除ありきでギリギリの返済計画を組むのは避けましょう。
すでに審査に落ちてしまった方は、こちらをご覧ください


住宅購入の全体像は、こちらでまとめています。


まとめ|審査対策は「早めの準備」と「身の丈の資金計画」


申し込み前の最終チェックリスト
- リボ払い・カードローンを解消した
- 完済できる借入は整理した(月1万円で242万円の枠が戻ります)
- 使っていないカードのキャッシング枠を整理した
- 信用情報に不安があれば本人開示で確認した
- 諸費用(物件価格の5〜10%目安)と生活予備費を現金で確保した
- 検討している金融機関の営業エリアに居住または勤務している
- 「無理なく返せる額」を家計から先に決めた
- 融資実行まで転職・大きな買い物をしないと決めた
審査の準備は、申し込みの半年〜1年前から始めるのが理想です。
そして審査対策と同じくらい大切なのが、「審査に通る額」ではなく「無理なく返せる額」で資金計画を立てることです。
わが家の「無理なく返せる額」を確認しませんか
伊藤FPオフィスでは、審査に通る額ではなく、購入後の家計から逆算した「返せる額」を一緒に計算しています。
教育費・老後資金・車の買い替えまで含めて確認するため、物件探しの基準がはっきりします。
すでにほかの借入がある方は、何を整理すれば借入可能額がいくら戻るのかも試算します。
- 手取り年収から逆算した「無理なく返せる額」の試算
- ほかの借入を整理した場合の借入可能額の変化
- 変動・固定それぞれで金利が上がった場合の返済額
- 教育費・老後資金まで含めた購入後30年の家計の確認
- 金融機関から手数料を受け取らない独立系FPによる中立な整理
千葉県市川市を拠点に、対面・オンラインでご相談をお受けしています。
住宅ローン審査に関するよくある質問
気になる質問をタップすると、回答が開きます。
Q. 事前審査で、思ったより低い金額を提示されました。落ちたのでしょうか?
落ちたわけではない可能性が高いです。多くの金融機関は、変動金利で借りる場合も実際の金利ではなく「審査金利」(一般に年3〜4%)で返済負担率を計算します。年収600万円なら、実行金利1.0%で計算した6,199万円に対して、審査金利3.5%だと4,234万円が上限になります。この差が「思ったより借りられない」の正体であることがほとんどです。
Q. 事前審査に落ちたら、もう住宅ローンは組めませんか?
審査基準は金融機関ごとに異なるため、別の金融機関で通ることは珍しくありません。ただし同じ状態のまま申し込みを繰り返すのは得策ではありません。申込情報も信用情報に記録されるためです。落ちた原因(ほかの借入・信用情報・返済負担率など)を整理して、改善してから再挑戦しましょう。
Q. 奨学金を返済中ですが、影響しますか?
影響します。奨学金も審査上は借入として扱われ、返済負担率の計算に含まれます。月1万円の返済なら、住宅ローンの借入可能額が約242万円減る計算です(審査金利3.5%・35年での試算)。残りの返済額が少ないなら、事前審査の前に完済しておくと枠が戻ります。
Q. 転職したばかりですが、審査に通りますか?
国土交通省の調査では、勤続年数を審査項目とする933機関のうち、「1年以上」でよいとする回答が612機関で最多でした。「3年以上」を求めるのは128機関にとどまります。キャリアアップの転職なら前向きに評価されることもあります。一方、審査中から融資実行前の転職は、融資が白紙になることがあるため避けてください。
Q. 自営業・フリーランスは審査に通りにくいですか?
「自営業者は対象外」と回答した金融機関は、調査ではわずか10件でした。自営業だから借りられないわけではありません。一般的に直近2〜3年分の確定申告書の提出を求められ、経費を差し引いた所得金額で審査されます。節税のために所得を圧縮していると借入可能額が想定より小さくなる点にご注意ください。なお審査上きびしいのは、派遣社員(368件が対象外)・契約社員(312件が対象外)のほうです。
Q. 頭金なしでも審査に通りますか?
調査では、融資率「100%以内」(物件価格まで)と回答した金融機関が380件で最多でした。つまりフルローンに対応する機関は多くあります。ただし諸費用まで含めた110%以上に対応するのは合計74件にとどまります。諸費用(物件価格の5〜10%が目安)は現金で用意するつもりで準備してください。また借入額が増えるぶん返済負担率が上がり、審査・返済の両面で余裕がなくなります。
Q. ペアローンや収入合算で借入額を増やすのはありですか?
夫婦の収入を合わせることで、審査上の借入可能額は増やせます。ただし借入可能額が増えることと、無理なく返せることは別問題です。産休・育休や働き方の変化で収入が減る期間も想定して、片方の収入が減っても返せる水準かを確認しましょう。またペアローンでは、団信がそれぞれ自分のローン分にしか適用されない点にも注意が必要です。
Q. ネットバンクは金利が低いですが、誰でも申し込めますか?
営業エリアの条件がある場合があります。国土交通省の調査では、887機関(89.2%)が「金融機関の営業エリア」を審査項目としており、「エリア内に居住していること」を条件とする回答が811件ありました。金利だけで金融機関を選ぶ前に、住んでいる地域や勤務先が営業エリアに入っているかを確認してください。
Q. 審査に通ったら、その金額まで借りて大丈夫ですか?
審査に通った金額は「金融機関が貸せると判断した上限」であり、「あなたの家計にとって安全な金額」ではありません。年収600万円の場合、審査上限の4,234万円を金利1.0%で返すと月11.95万円、手取りの31%が返済に消えます。無理なく返せる目安は手取りの20〜25%で、借入額にすると2,763万〜3,454万円です。購入前にライフプラン(人生の収入・支出・イベントを時系列で整理した計画)を作って確認すると安心です。
この記事の監修者


証券会社・不動産会社・保険会社での実務を経て、FP歴16年。2023年1月に独立し、千葉県市川市で独立系FP事務所を開設。金融機関から手数料を受け取らない中立な立場で、住宅購入・保険見直し・ライフプラン設計の相談を行っています。住宅ローンの相談では、審査に通る額ではなく手取り年収から逆算した「返せる額」を先に決めることを一貫してお伝えしています。
対応エリア:千葉県・東京都は対面相談可、全国オンライン対応

