住宅購入後に火災保険を見直すタイミングと選び方

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「保険料が上がったと聞いたので、火災保険を見直したい」

「住宅を購入したとき保険会社に言われるがままに契約したが、本当にこれでよかったのか不安」

住宅購入後に火災保険についてこうした疑問を持つ方は少なくありません。しかし、「見直したい」という気持ちだけで動いてしまうと、かえって損をするケースもあります。

この記事では、火災保険を本当に見直すべきタイミングと、住宅購入後に覚えておきたい補償内容の選び方をFPの視点から解説します。

  • 「保険料が上がったから見直したい」が裏目に出る理由
  • 火災保険を本当に見直すべき4つのタイミング
  • 建物・家財・地震保険の補償をどう選ぶか
  • 住宅購入後に確認すべき補償内容のチェックポイント

✍️ この記事の監修者

伊藤FPオフィス代表 伊藤貴徳

代表・監修者

伊藤 貴徳

伊藤FPオフィス 代表

CFP®認定者 1級FP技能士 宅地建物取引士 証券外務員1種

千葉・東京エリアを拠点に、住宅購入前の家計相談・生命保険の見直し・ライフプラン設計を専門とする独立系FP。
銀行・保険会社とは利害関係のない中立な立場で、30〜40代の子育て世帯を中心に相談をお受けしています。
「借りられる額」ではなく「無理なく返せる額」から一緒に考えることを大切にしています。

🏢 伊藤FPオフィス(千葉県・オンライン対応) プロフィール詳細を見る →
目次

まず知っておきたい:火災保険の基本的な仕組み

火災保険の補償内容を理解するために、まず基本的な構造を整理しておきましょう。

補償の対象:「建物」と「家財」は別物

火災保険は「建物」と「家財」を別々に補償するのが基本です。

建物のみに加入していた場合、火災で家具や家電が燃えても家財分の保険金は支払われません。

補償対象内容
建物家そのもの壁・屋根・床・設備(浴槽・キッチンなど)
家財家の中にある動産家具・家電・衣類・食器など

補償の種類:基本+選択式の特約

火災保険の補償内容は、「火災・落雷・破裂爆発」を基本として、以下の補償を組み合わせて設計します。

補償の種類内容必要性の目安
火災・落雷・破裂爆発火事・落雷による損害基本補償(必須)
風災・ひょう災・雪災台風・積雪による損害ほぼ全員に必要
水災洪水・土砂崩れによる損害ハザードマップで要確認
盗難空き巣などによる損害家財補償とセットが多い
破損・汚損うっかり壊した場合など生活スタイルに応じて

地震保険:単独では加入できない特別な保険

地震保険は火災保険とセットでのみ加入でき、地震・噴火・津波による損害を補償します。火災保険だけでは地震が原因の火災(地震火災)も補償されません

地震保険の保険金額は、火災保険の保険金額の30〜50%の範囲内で設定します(建物は最大5,000万円・家財は最大1,000万円まで)。地震大国である日本では、地震保険への加入を検討することをお勧めします。

「保険料が上がったから見直したい」が裏目に出る理由

火災保険の見直し相談の中で最も多いのが「保険料が高くなったので、もっと安い保険に乗り換えたい」というものです。

気持ちは理解できますが、実はこのケースでは見直しを急いで損をするリスクがあります。

火災保険の料率は「上昇傾向が続いている」

火災保険の料率は、自然災害の増加や建築コストの上昇などを背景に、直近10年間で繰り返し値上がりしています。

  • 2022年10月:全国平均で約11%値上げ
  • 2024年10月:過去最大規模の値上げ(全国平均+13%程度)
  • 今後も値上がりが続く可能性が高い

つまり、「今の保険料が高いから乗り換える」という理由で契約を切り替えても、乗り換え先の保険料も同様に値上がりしており、大幅に安くなる可能性は低いのが現状です。

FP伊藤

最近の火災保険は、保険期間が最長で5年間となっています。更新のたびに保険料率が上がっているために保険料が上がってしまい、見直しを検討する方も少なくありませんが、他社の保険料率も同様に値上がりしています。保険料の見直しには、他社に乗り換えるのではなく、保障額や保障内容の調整をすることが効果的な場合もあります。

「不必要な補償の見直し」だけが有効

保険料を適正化するための有効な方法は、「不必要な補償を外す」ことです。

住宅の立地や生活状況に合わない補償をそのままにしていると、保険料を余分に払い続けることになります。

たとえば、水害リスクの低い高台に建つ家なのに水災補償をつけたままにしている、一人暮らしで家財が少ないのに家財補償を高額に設定しているなどのケースです。こうした「自分の状況に合っていない補償」の見直しは意味があります。

火災保険を本当に見直すべき4つのタイミング

では、いつ火災保険を見直すべきでしょうか。主な4つのタイミングを解説します。

① 満期を迎えるとき(最も適切なタイミング)

火災保険の見直しに最も適したタイミングは契約の満期です。満期を迎えた際には、補償内容・保険金額・特約の内容が現在の状況に合っているかを確認します。

住宅購入時に5〜10年の長期契約を結んでいる場合、その間に生活状況が変わっていることも多いです。家族構成の変化・リフォームの有無・家財の増減などを踏まえて見直しましょう。

② 増改築・リフォームをしたとき

増築や大規模リフォームをした場合、建物の延床面積や構造が変わることがあります。建物の保険金額が実態に合わなくなる可能性があるため、保険会社に連絡して保険金額を見直す必要があります。

保険金額が不足していると、いざというときに十分な保険金が支払われない「一部保険」の状態になります。リフォーム・増築後は必ず保険内容を確認しましょう。

③ 家族構成が変わったとき

家財の補償額は家族人数によって変わります。子どもが生まれた・同居家族が増えた・または独立して家族が減ったという場合、家財補償の必要額も変わります。家族が増えれば家財も増えるため、補償額が不足しないよう確認が必要です。

④ 周辺の水害リスクを改めて確認したいとき

2024年10月の保険料改定から、水災補償の保険料率が市区町村ごとに細分化されました(水害リスクの低い地域は1等地〜高い地域は5等地の5段階)。

お住まいの地域のハザードマップを確認し、水害リスクが低い地域であれば水災補償を外すことで保険料を下げられる可能性があります。逆に水害リスクが高い地域なら、補償を外すのは危険です。市区町村のホームページやハザードマップポータルサイト(国土交通省)で確認できます。

補償内容の選び方:建物・家財・地震保険をどう組み合わせるか

FP伊藤

家族構成から計算された保障額で、一律に家財の保険金額を設定すると、実際にご自宅にある家財の評価金額よりも大きくなってしまい、結果として高い保険料を支払ってしまうことにもなりかねません。家財の補償をつける際には、ご自宅にある家財が合計でいくらくらいあるかを計算しておくことをお勧めします。

建物の補償:「再調達価額」で設定する

建物の保険金額は「再調達価額」(同じ建物を今の価格で建て直したときにかかる費用)で設定するのが基本です。市場価値(売却価格)ではなく、「もし全焼したときに同じ家を建て直せる金額かどうか」が判断基準です。

昨今の建材費・人件費の高騰により、再調達価額は年々上昇しています。住宅購入時に設定した保険金額が現在の再調達価額に合っているかを定期的に確認することをお勧めします。

家財の補償:生活実態に合わせた金額に

家財の補償額は「家の中にある動産すべてを一から買い直したらいくらかかるか」を目安に設定します。家族の人数・年代・生活スタイルによって大きく異なります。

世帯の状況家財保険金額の目安
単身・30代100万〜200万円程度
夫婦2人・30〜40代200万〜300万円程度
子ども1〜2人の4人家族200万〜300万円程度
高額な家具・家電が多い場合上記に100万〜200万円を加算

※ 上記は目安です。実際の家財内容をもとに設定することをお勧めします。

地震保険:千葉・東京エリアは特に検討を

地震保険は日本全国で必要性の高い保険ですが、千葉・東京エリアは南海トラフ地震や首都直下型地震のリスクが指摘されていることから、特に検討すべき補償です。

地震保険の補償対象は「全損・大半損・小半損・一部損」の4段階で、全損になっても保険金額の100%が支払われます(※補償額上限まで)。費用対効果を考えると、加入の価値は高いと言えます。

地震保険料には地震保険料控除(年間最大5万円・所得税)が適用されるため、節税効果もあります。

住宅購入後に確認すべき補償内容チェックリスト

住宅購入時に加入した火災保険を、以下の観点で一度確認してみましょう。

確認項目チェックポイント
建物の保険金額再調達価額に合っているか(不足・超過ないか)
家財の補償加入しているか・保険金額は現在の家族構成に合っているか
水災補償ハザードマップで水害リスクを確認し、必要か不要かを判断
地震保険セットで加入しているか。加入していない場合は検討を
風災補償台風被害が多いエリアでは特に必要
破損・汚損特約子どもが小さい・ペットがいる場合などに検討
保険期間満期はいつか。長期契約の場合は内容変更できないケースも

火災保険の証券(保険証書)や保険会社のマイページで補償内容を確認できます。「何に・いくらの補償をかけているか」をこの機会に整理しておくと安心です。

よくある質問

Q1. 火災保険は途中で解約して乗り換えられますか?

A. 途中解約は可能ですが、返還される保険料(解約返戻金)は残存期間に応じて計算されるため、短期解約の場合は思ったより戻ってこないことが多いです。また、料率上昇傾向の現在は乗り換えで保険料が安くなる可能性も低いため、基本的には満期まで継続することをお勧めします。不必要な補償の見直しが目的であれば、契約内容の変更ができるか保険会社に確認しましょう。

Q2. 火災保険と地震保険は別々の会社で加入できますか?

A. 地震保険は必ず火災保険とセットで加入する仕組みです。別々の保険会社で加入することはできません。地震保険の補償内容・保険料率は法律で一定のルールが定められており、保険会社による違いは基本的にありません(割引内容などに若干の違いはあります)。

Q3. 住宅ローンを組んでいると火災保険の加入は必須ですか?

A. 住宅ローンを組む際に火災保険への加入を条件とする金融機関がほとんどです。万が一の火災でも、火災保険で建物を再建できれば住宅ローンの返済を続けられるため、金融機関にとってもリスク管理上必要な条件となっています。内容については金融機関指定の保険ではなく、自分で選んだ保険を使えるケースも多いので確認してみましょう。

Q4. 火災保険の補償内容や見直しもFPに相談できますか?

A. はい、相談できます。FPは特定の保険会社に属さない立場から、補償内容の過不足をチェックし、「今の状況に合った補償かどうか」をアドバイスすることができます。住宅購入後の家計全体の見直し(住宅ローン・生命保険・火災保険など)をまとめて相談されたい方には特に有効です。

まとめ:見直すべきタイミングと補償の選び方を押さえておこう

火災保険について、大切なポイントを整理します。

  • 火災保険料率は上昇傾向が続いており、「保険料が高くなったから乗り換える」だけでは安くなりにくい
  • 見直しが有効なのは「不必要な補償を外す」場合と「満期・増改築・家族構成変化」のタイミング
  • 建物・家財それぞれに補償が必要。地震保険もセットでの加入を検討する
  • 水災補償はハザードマップでリスクを確認してから判断する
  • 保険金額は「再調達価額」を基準に。不足・超過がないか確認する

「今入っている火災保険で本当に大丈夫か」「補償が足りているか不安」という方は、FP相談で家計全体を見ながら確認することをお勧めします。住宅購入後は生命保険の見直しとあわせて、保険全体を整理するよい機会です。

火災保険の補償内容や、住宅ローン・生命保険との全体的なバランスについて、「わが家の場合はどうすればよいか」を具体的に知りたい方は、伊藤FPオフィスのマイホーム購入診断をご利用ください。

住宅ローンの返済プランから保険の見直しまで、中立な立場でトータルにアドバイスします。

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※ 本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の保険商品・サービスの購入や契約を勧めるものではありません。保険料率・制度は変更される場合があります。個別のご相談については、伊藤FPオフィスまでお問い合わせください。

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