年収別 住宅ローンの借入上限目安|無理なく返せる金額は?

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「年収500万円だと、住宅ローンはいくらまで借りられるのか」

物件を探し始める前に、まず知っておきたい数字です。

ただし、答えは2つあります。

銀行の審査で通る上限と、家計から見た適正額です。

その差は、どの年収でもおよそ1,400万円ありました。

この記事の結論
  1. 年収500万円なら、審査上限3,529万円・適正額2,172万円
  2. この差約1,400万円は、年収が変わってもほぼ一定です
  3. 審査上限で借りると、住居費は手取りの36〜45%になります
  4. 目安をつかんだら、金額別の記事で具体的に確認してください

こんな方に読んでほしい記事です

  • まだ物件は決まっていないが、予算の目安を知りたい
  • 銀行のシミュレーターの金額が本当に妥当か不安
  • 年収からいくらまで借りられるか、早見表で確認したい
  • 審査に通る金額で借りてよいのか迷っている

✍️ この記事の監修者

伊藤FPオフィス代表 伊藤貴徳

代表・監修者

伊藤 貴徳

伊藤FPオフィス 代表

CFP®認定者 1級FP技能士 宅地建物取引士 証券外務員1種

千葉・東京エリアを拠点に、住宅購入前の家計相談・生命保険の見直し・ライフプラン設計を専門とする独立系FP。
家計全体の視点から、30〜40代の子育て世帯を中心に相談をお受けしています。
「借りられる額」ではなく「無理なく返せる額」から一緒に考えることを大切にしています。

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目次

「借りられる額」と「返せる額」は別物

住宅ローンを考えるとき、最初に押さえておきたい考え方があります。

金融機関が貸してくれる上限額と、家計が返し続けられる額は、まったく別のものです。

銀行の審査は「このお客さまが返済不能にならないか」を判断するためのものです。

お子さんの教育費や、ご自身の老後資金は考慮されていません。

審査上の借入上限家計から見た適正額
何を基準にするか金融機関が貸せると判断する最大額教育費・老後資金を確保しながら返せる額
使う金利審査金利(3〜4%程度)実際に適用される金利
見る収入額面年収手取り収入
維持費含まない含む(管理費・修繕積立金・固定資産税・火災保険)
基準返済負担率35%以内住居費が手取りの25〜30%以内

この2つの差が、「借りすぎて後悔した」という失敗の温床になります。

返済負担率という指標

返済負担率とは、年収に占める年間返済額の割合です。

フラット35の利用条件では、年収400万円未満は30%以下、400万円以上は35%以下とされています。

返済負担率位置づけ生活への影響
35%以下多くの金融機関の審査上限返済はできるが、生活は厳しくなる可能性
25〜30%一般に「無理のない」とされる水準生活費・貯蓄もある程度確保できる
20〜25%ゆとりのある水準教育費・老後資金の積立も並行できる
20%未満余裕のある水準繰り上げ返済も検討できる

ただし、返済負担率だけでは足りません。

額面年収で計算されており、維持費も含まれていないためです。

この記事の早見表では、手取り収入と維持費を含めた住居費で計算しています。

【早見表】年収別・審査上限と適正額

年収別に、2つの金額を計算しました。

ご自身の年収の行をご覧ください。

年収(額面)手取りの目安審査上の上限家計から見た適正額
(住居費が手取りの30%)
ゆとりを持つなら
(同25%)
400万円312万円2,823万円1,481万円1,020万円
500万円390万円3,529万円2,172万円1,596万円
600万円468万円4,234万円2,862万円2,172万円
700万円546万円4,940万円3,553万円2,747万円
800万円624万円5,646万円4,244万円3,323万円
900万円702万円6,351万円4,935万円3,899万円
1,000万円780万円7,057万円5,626万円4,474万円

※ 審査上限は審査金利3.5%・返済負担率35%(年収400万円未満は30%)、適正額は実行金利年1.0%・35年・元利均等返済で計算し、マンションの維持費36,200円を差し引いた借入額です。手取りは額面の78%として計算しています。実際の金額は、金利・返済期間・家族構成・他の借入の有無によって変わります。

審査上限のほうが、常に大きくなります。

では、審査上限いっぱいで借りると家計はどうなるでしょうか。

年収400万円で審査上限2,823万円を借りる 44.6%
住居費 月11.59万円 ÷ 手取り月26.0万円
年収500万円で審査上限3,529万円を借りる 41.8%
住居費 月13.58万円 ÷ 手取り月32.5万円
年収600万円で審査上限4,234万円を借りる 39.9%
住居費 月15.57万円 ÷ 手取り月39.0万円
年収800万円で審査上限5,646万円を借りる 37.6%
住居費 月19.56万円 ÷ 手取り月52.0万円

※ 住居費=返済額(実行金利1.0%で計算)+マンションの維持費36,200円。

住居費が手取りの36〜45%になります。

この水準では、教育費や老後資金に回す余裕がほとんど残りません。

⚠️

審査に通ることと、35年払い続けられることは別の問題です。
審査は「貸しても回収できるか」という基準で行われます。お子さんの大学費用も、ご自身の老後資金も、その計算には入っていません。審査で提示された金額は、上限であって目標ではありません。

FP伊藤

ご相談で「銀行では4,200万円まで大丈夫と言われました」とおっしゃる方は多くいます。
年収600万円なら、確かにその金額まで審査は通ります。
けれども家計から見た適正額は2,862万円。
その差1,372万円は、お子さん2人分の大学費用に相当します。
どちらを選ぶかはご家庭の判断ですが、両方の数字を知ってから決めていただきたいと思っています。

なぜ約1,400万円もの差が生まれるのか

審査上限と適正額の差を、年収別に並べてみます。

年収審査上限適正額(30%)差
400万円2,823万円1,481万円1,342万円
500万円3,529万円2,172万円1,357万円
600万円4,234万円2,862万円1,372万円
700万円4,940万円3,553万円1,387万円
800万円5,646万円4,244万円1,402万円
900万円6,351万円4,935万円1,417万円
1,000万円7,057万円5,626万円1,432万円
審査上限と適正額の差は
年収が違っても
およそ 1,400万円
年収400万円で1,342万円、1,000万円で1,432万円。
年収が2.5倍になっても、差はほとんど変わりません。

この差は、2つの要因から生まれています。

要因① 審査は「審査金利」で計算される

金融機関の審査では、実際に適用される金利ではなく審査金利という高めの金利で返済額を計算することが一般的です。

金利が上がっても返済を続けられるかを確認するためです。

審査金利は3〜4%程度とされ、各金融機関が公表していません。

ここでは3.5%として計算しています。

  • 審査 — 審査金利3.5%で、返済負担率35%まで借りられると判定
  • 実際の返済 — 実行金利(年1.0%程度)で計算
  • 結果 — 審査上限で借りても、毎月の返済額自体は抑えられる

つまり、審査金利の仕組み自体は理にかなっています。

問題は、その上限額をそのまま予算にしてしまうことです。

要因② 審査には維持費が含まれていない

持ち家には、ローンの返済以外にも毎月の費用がかかります。

毎月かかる維持費マンション一戸建て
管理費11,503円—
修繕積立金/修繕費の積立13,054円16,667円
固定資産税・都市計画税約10,000円約10,000円
火災保険・地震保険約1,700円約2,500円
合計36,257円29,167円

※ 管理費・修繕積立金は国土交通省「令和5年度マンション総合調査」の月額平均。固定資産税は年12万円、一戸建ての修繕費は30年で600万円かかる想定です。駐車場代は含んでいません。

審査ではこの費用が考慮されません。

月3.6万円は、借入額に換算すると約1,280万円に相当します。

審査金利の効果と、維持費の分。

この2つが重なって、約1,400万円の差になっています。

一戸建てなら、少し多く借りられます

維持費が月7,090円少ないため、同じ年収でも借入可能額は約250万円増えます。

ただし一戸建ての修繕費は、自分で積み立てる必要があります。

マンションのように自動的に徴収される仕組みがないためです。

目安がついたら、金額別の記事で確認する

早見表で、おおよその予算が見えたと思います。

次は、その金額帯で具体的にどうなるかを確認してください。

借入額ごとに、毎月の返済額・必要な年収・家計への影響を詳しく解説した記事があります。

年収400万〜600万円の方は、まずこちらをご覧ください。

毎月の返済額、年収別の余裕度、「きつい」と感じる原因を詳しく解説しています。

年収700万〜800万円の方は、こちらです。

手取りベースで見た負担感、金利タイプと返済期間の選び方、共働きで組むときの注意点まで扱っています。

年収900万円以上の方は、こちらです。

共働きで組む場合のリスクと、片方の収入が抜けたときの落差を中心に解説しています。

※ 借入額から逆算すると、住居費を手取りの30%に収めるために必要な年収は、3,000万円で620万円、4,000万円で765万円、5,000万円で909万円という計算になります。

予算を決めるための3ステップ

早見表はあくまで目安です。

ご家庭ごとに、答えは変わります。

1
手取り収入を正確に把握する まずここから
源泉徴収票ではなく、実際に振り込まれている金額で確認してください。ボーナスがある場合は、年間の手取りを12で割った金額で見ます。手取り月30万円+ボーナス年100万円なら、月平均38.3万円という計算になります。
2
維持費を含めた住居費で考える 必ず加える
マンションなら月3.62万円、一戸建てなら月2.92万円が目安です。駐車場代がかかる場合は、さらに加算してください(月15,000円なら、借入可能額は約530万円下がります)。「返済額+維持費」が手取りの25〜30%に収まるかを見ます。
3
収入が減った場合を確認する 見落としがち
共働きで借りるなら、片方の収入が減ったときにどうなるかを確認してください。時短勤務やパート勤務になると、住居費の割合は10ポイント以上変わります。産休・育休・転職・介護など、働き方が変わる理由はいくつもあります。

借入額を変える以外の方法もあります

予算が足りないと感じたとき、物件のグレードを下げるだけが方法ではありません。

  • エリアを変える — 千葉県内でも、市によって相場は大きく違います
  • 中古を検討する — 千葉県の中古マンションは新築より2,643万円安い実績です
  • 車を持たない前提にする — 車1台で年57.5万円。駅近を選ぶ判断もあります
  • 頭金を増やす — ただし生活防衛資金は必ず残してください

千葉・東京エリアで考える場合

首都圏では物件価格が高いため、適正額の範囲に収まる物件を探すのが難しいことがあります。

住宅金融支援機構「2024年度フラット35利用者調査」によると、千葉県の所要資金額は次のとおりです。

物件の種類千葉県の所要資金額(平均)購入者の世帯年収(平均)
新築マンション5,365万円861.9万円
建売住宅(新築戸建)4,180万円693.2万円
中古マンション2,722万円633.5万円
中古戸建2,735万円605.1万円

※ 住宅金融支援機構「2024年度 フラット35利用者調査」千葉県の平均値です。同機構の住宅ローンを利用した方の平均であり、市場全体の平均とは異なる場合があります。

新築を選ぶと、年収700万〜860万円が一つの目安になります。

中古であれば、600万円台でも現実的な選択肢になります。

借入額を決める前に、住宅購入全体の流れも確認しておくと判断しやすくなります。

人生全体のお金の流れを整理する方法は、こちらでまとめています。

まとめ|2つの数字を知ってから決める

この記事の要点
1 年収500万円なら審査上限3,529万円・適正額2,172万円
2 審査上限と適正額の差は、年収が違ってもおよそ1,400万円
3 差が生まれる理由は、審査金利(3.5%)と、維持費が含まれないこと
4 審査上限で借りると、住居費は手取りの36〜45%になる
5 維持費はマンション月3.62万円・一戸建て月2.92万円
6 一戸建てなら、同じ年収でも約250万円多く借りられる
7 共働きなら、片方の収入が減った場合も確認する

住宅ローンの予算は、審査に通る金額で決めるものではありません。

35年間、教育費と老後資金を確保しながら返せる金額で決めます。

この記事の早見表で、おおよその目安をつかんでください。

そして物件を見る前に、上限を決めておいてください。

素敵な物件を見てから予算を考えると、「この物件を買うにはどうすればよいか」という発想になります。

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早見表は、平均的な条件で計算した目安です。

実際の適正額は、ご家庭ごとに変わります。

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よくある質問

気になる質問をタップすると、回答が開きます。

Q. 年収500万円だと、いくらまで借りられますか?

審査上の上限は約3,529万円、家計から見た適正額は約2,172万円です(住居費が手取りの30%以内・マンションの場合)。ゆとりを持つなら1,596万円(同25%)。その差は約1,400万円あります。審査に通る金額と、無理なく返せる金額は別のものだとお考えください。

Q. なぜ審査上限と適正額に、そんなに差があるのですか?

2つの理由があります。1つは、審査が審査金利(3〜4%程度)という高めの金利で計算されること。もう1つは、審査に維持費が含まれていないことです。マンションの維持費は月36,257円で、借入額に換算すると約1,280万円に相当します。

Q. 審査に通れば、その金額を借りて大丈夫ですか?

おすすめしていません。年収600万円で審査上限4,234万円を借りると、住居費は手取りの39.9%になります。この水準では、教育費や老後資金に回す余裕がほとんど残りません。審査で提示された金額は、上限であって目標ではありません。

Q. 一戸建てとマンションで、借りられる額は変わりますか?

変わります。維持費が違うためです。マンションは月36,257円、一戸建ては月29,167円。差は月7,090円で、同じ年収なら一戸建てのほうが約250万円多く借りられます。ただし一戸建ての修繕費は自分で積み立てる必要があります。

Q. ボーナスは計算に入れてよいですか?

年間の手取りで判断するという意味では、入れてください。手取り月30万円でもボーナス年100万円があれば年間460万円となり、月平均38.3万円で計算できます。ただし、ボーナス払いの設定はおすすめしていません。ボーナスは業績で変わり、転職すればなくなることもあるためです。

Q. 共働きの収入は、どこまで見込んでよいですか?

片方の収入が減っても回るかを必ず確認してください。時短勤務やパート勤務になると、住居費が手取りに占める割合は10ポイント以上変わります。共働きを前提に借りるなら、住居費は手取りの25%寄りに抑えるほうが安全です。

Q. 千葉県で家を買うには、いくらの年収が必要ですか?

住宅金融支援機構の調査では、千葉県で実際に購入した方の世帯年収は新築マンションで861.9万円、建売住宅で693.2万円、中古マンションで633.5万円、中古戸建で605.1万円でした。新築なら700万〜860万円、中古なら600万円台が一つの目安になります。

Q. 予算が足りない場合、どうすればよいですか?

物件のグレードを下げるだけが方法ではありません。エリアを変える(千葉県内でも市によって相場が違います)、中古を検討する(千葉県の中古マンションは新築より2,643万円安い実績です)、車を持たない前提にする(車1台で年57.5万円)。組み合わせを変えることで、同じ予算でも選べる範囲が広がります。

この記事の監修者

伊藤貴徳(伊藤FPオフィス代表)
伊藤 貴徳(いとう たかのり)
伊藤FPオフィス代表/CFP®・1級FP技能士・宅地建物取引士

証券会社・不動産会社・保険会社での実務を経て、FP歴16年。2023年1月に独立し、千葉県市川市で独立系FP事務所を開設。家計全体の視点から、住宅購入・ライフプラン設計・保険見直しの相談を行っています。予算を決めるときは、審査上限ではなく「維持費を含めた住居費が手取りの何%か」でお話ししています。

保有資格:CFP®(CERTIFIED FINANCIAL PLANNER®)/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/宅地建物取引士/トータル・ライフコンサルタント(生命保険協会認定)/証券外務員一種
対応エリア:千葉県・東京都は対面相談可、全国オンライン対応
本記事の出典・試算条件をみる
審査上の借入上限は、審査金利を年3.5%、返済負担率を35%(年収400万円未満は30%)として計算した試算です。審査金利は各金融機関が公表していないため、一般に言われる水準(3〜4%程度)をもとに置いた仮定です。実際の審査基準・審査金利は金融機関によって異なり、勤務先・勤続年数・他の借入・物件の担保評価などによっても結果は変わります。家計から見た適正額は、実行金利を年1.0%、返済期間35年、元利均等返済とし、住居費(返済額+維持費)が手取りの30%(および25%)に収まる借入額として算出しました。手取りは額面年収の78%として計算しています。実際の手取りは、扶養家族・社会保険料・勤務先の制度によって異なります。維持費は、マンション月36,257円(管理費11,503円・修繕積立金13,054円・固定資産税等10,000円・火災保険等1,700円)、一戸建て月29,167円(修繕費の積立16,667円・固定資産税等10,000円・火災保険等2,500円)として計算しました。管理費・修繕積立金は国土交通省「令和5年度マンション総合調査」の月額平均、固定資産税は年12万円、一戸建ての修繕費は30年で600万円かかる想定です。これらは物件の評価額・構造・所在地・面積によって大きく異なります。駐車場代は含んでいません。返済負担率の基準(年収400万円未満は30%以下、400万円以上は35%以下)は住宅金融支援機構フラット35の利用条件によります。千葉県の所要資金額・世帯年収は、住宅金融支援機構「2024年度 フラット35利用者調査」の平均値です。本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の物件・金融機関・保険を推奨するものではありません。個別のご相談については、伊藤FPオフィスまでお問い合わせください。
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