こんにちは、FP伊藤です。

私って、保険に入った方がいいんでしょうか?
よくご質問をいただく、こちらについて説明したいと思います。
結論から言うと、保険はほとんどの人にとって必要性があると思います。
ただ、どんな保険が必要か、どのくらいの保障があればいいか?というのは人それぞれ。
なかには例外もあるし、保険に入りすぎる必要もありません。
この記事では、そろそろ自分も保険を考えようかな?という方のために、保険加入をおすすめしたい人・いらない人について説明します。


伊藤 貴徳
伊藤FPオフィス代表
【保有資格】
- 1級ファイナンシャル・プランニング技能士
- CFP®︎ CERTIFIED FINANCIAL PLANNER
- 宅地建物取引士
- 証券外務員1種
保険の前に:生活防衛資金について考える


あなたはなぜ、保険を考えるのでしょうか?
病気をしたら心配だから…
自分があの世にいったら、残された家族の生活が心配だから…
がんになったら心配だから…
色々な考えかあると思います。
まずは、その心配は保険でどうやって解決できるのか掘り下げて考えてみましょう。
保険からは「保険金」というお金を受け取り、生活費に備えたり、治療費に備えたり、収入の減少に備えるのです。
それが「安心」につながるというわけですね。
つまり、保険に入るということは突き詰めると、「万が一の経済的なリスクに備えるため」と言えます。
保険で経済的なリスクに備えることも大切ですが、まずは自分たちで準備できるもの「生活防衛資金」について考えてみましょう。
生活防衛資金とは、突然の収入減少や緊急の支出が発生した際に、生活を維持するための資金のことを指します。
多くの専門家は、生活防衛資金として収入の3〜6ヶ月分を目安に貯蓄することを推奨しています。
では、なぜこの生活防衛資金がそんなに重要なのでしょうか。
1.経済的な安定につながる


突然の失業や病気、ケガなどで収入が途絶えた場合、生活防衛資金があれば、新しい仕事を見つけるまでの間や回復するまでの期間、生計を維持することができます。
2.緊急時に対応できる


大きな家電の故障や車の修理、突然の医療費など、予期せぬ出費が発生した場合、生活防衛資金を活用することで、無理なく支払いを行うことができます。
3.精神的な安心となる


金銭的な不安はストレスの大きな原因となります。生活防衛資金がしっかりと確保されていると、未来に対する不安が軽減され、より安心して日常生活を送ることができます。
保険で備えることも大切ですが、まずは生活防衛資金を準備するところから始めてみましょう。
生活防衛資金で足りない部分を保険で補うという考え方にすることで、不必要な保険に入る心配もなくなります。



結果として保険料を安く抑えることにもつながります!
どのように準備する?
生活防衛資金は、流動性の高い銀行預金などに預けることをお勧めします。
え!せっかく預けるなら、利率の高いものに預けたい!
とお考えの方もいるかもしれませんが、生活防衛資金は万が一の際に使うためのもの。
何かあったらすぐに引き出せる状態にしておくことが望ましいです。
保険加入をおすすめしたい人
ここからは、具体的にどのような人が保険を検討したら良いか解説します。
おすすめ①貯金などで生活防衛資金が準備されていない人


先ほどの通り、生活防衛資金が準備されていない人は保険を検討しましょう。
保険が効果を発揮するのは、「万が一の経済的ダメージを受けた時」です。
因みに万が一とは何か?大きく分けて4つあります。
病気やケガで入院したとき、仕事ができず給料がもらえなかったり、残された遺族の方々の生活資金。
経済的ダメージを受けたときにも、それに耐えられる貯蓄があれば安心ですが、貯蓄がない場合、一番に頼るものは「保険」です。
こんな時に保険は効果を発揮する
がん保険の例
Aさんは30代のサラリーマンです。妻と子供2人の4人家族で、最近ローンを組んで住宅を購入しました。住宅購入時に団体信用生命保険に加入しましたが、そのほかの保険には加入していませんでした。
ある日、会社の健康診断で胃に異常が見つかり、がんと診断されました。
Aさんの加入した団体信用生命保険は、がんとなっても保険が使えませんでした。
結局、Aさんはがんの治療費を支払いながら、仕事量をセーブしつつ働いています。
会社の理解もあり、時短勤務となりながらも仕事を続けることはできていますが、給料は6割ほどになり、加えて毎月10万円をこえる治療費がかかることとなりました。
収入の減少と、支出の増加が一気に押し寄せたのです。
団体信用生命保険にがんの特約をつけていたり、月々数千円のがん保険に加入していたりしたら、状況は大きく変わっていたかもしれません。
おすすめ②扶養家族が多い人


一般的に単身の方よりも、世帯を持つの方が生活費はかかります。
お子様の人数が多ければ多いほど、食費や生活費・将来の教育費などでかかるお金は増えていきます。
もし明日突然、自分に万が一のことがあったら、ご家族の生活は大丈夫ですか?
これからかかるお金について、どのくらい必要なのか。そしてどのくらい準備できているか
確認しておきましょう。
ただ、扶養家族が多ければ多いほど、公的保障も多くなります。
代表的なものは遺族年金です。
国からもらえる公的保障もふまえて必要保障はいくらかを計算してみてください。
我が家の生活費はいくら?
総務省「家計調査報告」2023年(令和5年)8月分によると、消費支出は、1世帯あたり
293,161円となっています。
あなたのご家庭では、1ヶ月の支出はいくらでしょうか?
現在の収入と、支出を把握しておくことは、万が一の時を考える際に重要になります。
万が一の時の収入:遺族年金について
扶養家族が多い場合、世帯主に万が一のことがあった時は、国からも補助があります。
遺族年金と呼ばれる公的年金制度があります。
生命保険文化センターの「遺族年金の受給と年金額のめやす」によると、
41.7万円の場合 | 標準報酬月額国民年金(自営業) | 厚生年金(サラリーマン) |
子供3人 | 年額1,328,600円 | 年額1,842,855円 |
子供2人 | 年額1,252,400円 | 年額1,766,655円 |
子供1人 | 年額1,023,700円 | 年額1,537,955円 |
このようになります。
家族構成や、世帯主の収入によっても変動するため、詳細の年金額については個別に確認しましょう。
おすすめ③将来、健康に不安のある人


今は健康でも、将来のことは誰にもわかりません。
また、ご家族や身内に健康上の問題を抱えている方がいれば、治療をされていくなかで、いろいろな思いをされた経験をお持ちの方もいるかと思います。
原則、保険は病気の治療中や、手術を控えていたりと、健康状態のすぐれない方は加入することができません。※審査によっては加入も可
健康なときに、自分が病気になるときの事なんて想像もつかないかもしれません。
ただ、体調を崩してしまった人の中には、「なぜ自分がこんな状態に・・・?」と思っている方がいるのも事実です。
そのくらい、病気は気づかず、いつの間にかやってきます。



今は健康でも、将来の健康状態に不安のある方は保険の加入を検討してみましょう!
現在、病気になっていたり、過去に病歴がある方で、保険に加入したいとお考えの方は
緩和型の保険を検討しましょう。
ただし、加入しやすい代わりに通常の保険と比べると保険料が割増となっています。
加入を検討するときは、見積もり等で必要な保障が希望する予算の範囲内か確認しましょう。
保険加入の必要がない人(いらない人)


いらない人①生活資金や貯蓄にかなりの余裕がある人
極論かもしれませんが、万が一のことがあっても、貯金がめちゃめちゃあれば保険は必要ないです。
経済的ダメージを、現在の蓄えでどこまで補えるかを把握しておくと、保険が必要か、そうでないか
イメージできるのではないでしょうか。
いらない人②勤務先で団体保険等がしっかりついている人
公務員の方や、大企業にお勤めの方は、団体保険がしっかりついています。
企業が独自に保険会社と作った保障なので、民間の保険と比べると割安で大きな保障を持てることもあります。
お勤め先の団体保険を確認してみましょう。
保障内容の中には、「保障期間は在職中のみ」だったり、「退職後も保障を引き継げる」等、様々なので
契約内容をしっかりチェックしてみてください。
いらない人③単身世帯の人(自分のための保険であればOK)
特別な事情がなければ、単身の方に大きな死亡保障は必要ないと思います。
単身の方が保険を考えるときには、それが自分のための保障であるかを優先にしてみてください。
例えばこんな事
生命保険(掛け捨て)→保険金を受け取るのは残されたご家族=相手
医療保険→保険金を受け取るのは本人=自分
個人年金→満期金を受け取るのは本人=自分
生命保険(積み立て)→保険金はご家族、積立金は自分=相手と自分
まとめ
保険加入をおすすめしたい人、いらない人についてまとめると、
おすすめ
- 収入が低く、貯金などの生活防衛資金が準備されていない人
- 扶養家族が多い人
- 将来、健康に不安のある人
いらない
- 生活資金や貯蓄にかなりの余裕がある人
- 勤務先で団体保険等がしっかりついている人
- 単身世帯の人(自分のための保険であればOK)