資産運用に興味を持ったものの
「何から始めれば良いのか」
「途中で失敗したらどうしよう」
と不安に感じる方も多いのではないでしょうか?
実は、資産運用で成功するためには、特別なスキルや知識よりも、冷静な判断力と長期的な視点が重要です。
初心者がよく陥りがちなミスや、資産運用を続けるために必要なコツを知っておくことで、失敗を防ぎ、着実に資産を増やしていくことができます。
このガイドでは、資産運用を途中でやめてしまう人の特徴と、その回避方法についてわかりやすく解説していきます。
今すぐ実践できるヒントが満載ですので、ぜひ最後まで読み進めてください!
伊藤 貴徳
伊藤FPオフィス代表
【保有資格】
- 1級ファイナンシャル・プランニング技能士
- CFP®︎ CERTIFIED FINANCIAL PLANNER
- 宅地建物取引士
- 証券外務員1種
はじめに:資産運用の魅力とリスク
資産運用とは、株式や投資信託などにお金を預け、時間をかけてお金を増やしていく方法です。
銀行の預金よりも高いリターンが期待できるため、多くの人が興味を持っています。
特に、今の低金利時代では、普通の貯金だけではお金があまり増えないため、資産運用が一つの選択肢として注目されています。
資産運用の魅力は、将来的な資産形成ができることです。
例えば、月々少しずつでも資産運用を続けることで、長い時間をかけてまとまったお金が増えていく可能性があります。
また、複利の力(利息が元本に加わり、その元本がさらに利息を生む効果)
によって、時間が経つほど資産が加速的に増えるチャンスがあります。
しかし、資産運用にはリスクも伴います。
どんな投資商品にも、値段が上がることもあれば下がることもあります。
特に株式市場は景気の影響を受けやすく、短期間で大きな値下がりが起こることもあります。
そのため、利益だけを期待して始めると、思わぬ損失にショックを受け、運用をやめてしまうことも少なくありません。
資産運用を始める前には、まず自分の目的やリスク許容度を考え、無理のない範囲でスタートすることが重要です。
特徴1:長期的な視点が持てない人
資産運用で成功するためには、長期的な視点がとても大切です。
しかし、短期的な利益や損失に敏感になりすぎると、その視点を持つのが難しくなります。
特に、初心者の方にとっては、投資を始めたばかりの時に自分の資産が増えたり減ったりするのを見て、一喜一憂してしまうことがよくあります。
例えば、株式市場では、日々株価が上下します。
もし、ある日突然株価が大きく下がってしまったら、
「もうダメだ!これ以上損をしたくない」
と思い、すぐに売りたくなるかもしれません。
逆に、株価が少し上がっただけで
「もう十分儲かったから今すぐ売ろう」
と考える人もいます。
しかし、これでは本来の資産運用の目的、つまり時間をかけてお金を増やしていくという目標から外れてしまうことがあります。
資産運用で重要なのは、短期的な変動に惑わされないことです。
株式や投資信託は、長い期間にわたって保有することで、経済全体の成長に合わせて資産を増やす可能性が高まります。
短期間で大きな利益を得ることを期待するのではなく、5年、10年、さらには20年といった長期的なスパンで考えることが大切です。
短期的な値動きに振り回されると、冷静な判断ができなくなり、結果的に損をしてしまうこともあります。
長期的な視点を持つにはどうすれば良いのでしょうか?
まずは、投資の目的をしっかりと考えることがポイントです。
例えば、
「老後の資金を準備するために20年間運用する」
といった具体的な目標を設定することで、日々の小さな値動きに動揺しにくくなります。
また、定期的に自分の資産状況を確認するのは大切ですが、毎日のようにチェックしてしまうと、その変動が気になってしまうので、月に1回などの頻度に抑えるとよいでしょう。
特徴2:目標設定が曖昧な人
資産運用を始める際に最も重要なことの一つが、明確な目標を持つことです。
しかし、初心者の方の中には
「なんとなくお金を増やしたい」
という漠然とした考えでスタートしてしまう人がいます。
このように目標が曖昧だと、資産運用の途中で迷ったり、計画が思うように進まなかったときにやめてしまうリスクが高まります。
資産運用の目的を明確にすることが大切な理由は、目標があればそのためにどれだけの時間とリスクが必要かを判断できるからです。
例えば、将来の老後資金を準備したいのか、それとも子どもの教育資金を作りたいのか、または数年後の旅行や家の購入に備えたいのか、目標によって運用期間や取るべきリスクの大きさが異なります。
目標がないまま始めると、投資先やリスクの取り方が不明確になり、結果的に思うようなリターンを得られずに終わることもあります。
達成可能な目標を設定するにはどうすれば良い?
まず、自分が
「いつまでに」
「どれくらいの金額を」
「どのように使いたいか」
を具体的に考えてみましょう。
例えば、「10年後に子どもの大学費用として200万円を準備したい」という目標を立てることで、どれくらい毎月積み立てる必要があるのか、どのくらいのリスクを取るべきかが見えてきます。
次に、その目標が現実的かどうかを確認するため、資産運用のシミュレーションを行うのも一つの方法です。
特徴3:情報に流されやすい人
資産運用を始めると、さまざまな情報が目に入ってくるようになります。
ニュースで「株価が急騰!」や
「今すぐ買うべき投資先」
などと聞くと、思わずその情報に飛びつきたくなるかもしれません。
また、SNSや友人からのアドバイスで
「この銘柄が儲かるらしいよ」
と言われると、すぐに信じて行動したくなることもあるでしょう。
しかし、このようにトレンドや他人の意見に流されやすい人は、運用の結果が思わしくないことが多いです。
情報に流されやすい人の特徴は、冷静な判断を欠いている点です。
特に、短期間での利益を求めると、ちょっとした情報に振り回されやすくなります。
資産運用は長期的な視点が大切なのに、短期的なトレンドに飛びついてしまうと、リスクが高まり、失敗する確率も高くなります。
さらに、他人のアドバイスが正しいかどうかをよく確認せずにそのまま信じてしまうと、後で
「こんなはずじゃなかった」
と後悔することもあります。
どうすれば自分の判断力を持ち、信頼できる情報を選べるようになるのでしょうか?
まず、信頼できる情報源を見極めることが重要です。
インターネット上には多くの情報がありますが、全てが正しいとは限りません。
例えば、SNSやブログで書かれている意見は個人の経験に基づくことが多く、専門的な知識が足りない場合があります。
逆に、信頼できる情報源としては、金融の専門家が運営するサイトや、政府機関、証券会社などの公式サイトが挙げられます。
これらの情報は正確で、最新のデータに基づいています。
また、複数の情報源を比較することも大切です。
たった一つの情報に依存せず、他の情報と照らし合わせることで、正しい判断がしやすくなります。
リサーチ力を高める方法として、自分自身でしっかりと調べる習慣をつけることがポイントです。
例えば、ある株式に投資しようと思ったら、その企業の財務状況や市場でのポジション、今後の成長性などを自分で調べてみましょう。
情報収集の際には、インターネットの検索だけでなく、書籍や専門家の意見も活用すると、より幅広い視点を持つことができます。
また、株価チャートを理解することや、基本的な経済指標(GDPや失業率など)を学ぶことも、判断力を養う助けになります。
特徴4:リスク管理ができない人
資産運用を始める際に、最も重要なのはリスクを正しく理解し、それに対処することです。
しかし、初心者の中にはリスクをしっかり認識せずに運用を始めてしまい、大きな損失を出して運用をやめてしまうケースがあります。
特に、「利益を得たい」という気持ちが強すぎると、リスクを軽視してしまいがちです。
例えば、株式投資はリターンが大きい一方で、株価が急に下がるリスクもあります。
もしリスクを理解せずに多額の資金を一つの株に投入してしまうと、市場が悪化したときに大きな損失を出してしまう可能性があります。
その結果、
「もう投資は怖いからやめよう」
となってしまうことも多いのです。
しかし、リスクをしっかり管理すれば、こうした状況を防ぎ、長期的に安定した運用ができるようになります。
リスクとリターンのバランスを取るためにどうすれば良い?
一つの有効な方法が資産配分(ポートフォリオ)です。
資産配分とは、異なる種類の資産に分散して投資することです。
例えば、株式だけでなく、債券や現金、場合によっては不動産やゴールドなどにも分散投資することで、リスクを分散させます。
株式市場が悪化しても、他の資産がそれをカバーしてくれることが期待できるため、全体的なリスクが減るのです。
具体的な資産配分の例として、以下のような組み合わせがあります:
- 株式50%、債券30%、現金20%
これは、株式である程度のリターンを狙いつつ、債券でリスクを抑え、現金で安全性を確保するバランスの良い配分です。
株式の比率が高ければリターンは大きくなりますが、リスクも増えます。
逆に、債券や現金の比率を高めることでリスクを抑えることができます。
また、リスク管理の基本として、以下のポイントも重要です。
- 損失許容度を知ること
投資を始める前に、どれくらいの損失に耐えられるかを自分で理解しておくことが大切です。
例えば、「資産の10%までの損失なら許容できる」と自分の基準を持っておけば、それ以上の損失が出たときに冷静に対処できます。 - 定期的にポートフォリオを見直す
市場の状況は常に変わります。
リスクとリターンのバランスを保つためには、定期的に自分の資産配分を見直し、必要に応じて調整することが必要です。
例えば、株式が大きく上がってポートフォリオのバランスが崩れた場合、利益を確定してリスクの低い資産に振り分けるなどの対策が有効です。 - 積立投資でリスクを抑える
一度に大きな金額を投資するのではなく、少額を定期的に積み立てていく「ドルコスト平均法」という方法があります。
これにより、価格が高いときにも安いときにも投資するため、平均的な価格で買うことができ、リスクを分散させることができます。
リスク管理は、資産運用を長期的に続けるための重要な要素です。
大きな利益を狙うことばかりに目を向けず、自分のリスク許容度に合った運用をすることで、安心して資産運用を続けることができます。
特徴5:メンタル面での不安を抱える人
資産運用を始めたばかりの頃、多くの人が市場の変動や運用結果に対して不安を感じることがあります。
特に、初心者の方は初めての経験が多く、投資の値動きに一喜一憂してしまいがちです。
株価が急に下がったり、予想していた結果が得られなかったりすると、
「このままではもっと損するかもしれない」
と不安になり、すぐに投資をやめたくなることもあります。
このような感情的な決断は、実際にはリスクを増やすことにつながりかねません。
不安を感じる心理とは?
市場の動きは日々変わるため、誰でも資産の価値が上がったり下がったりすることを経験します。
特に株式市場は大きく変動することが多く、その変動を見るとどうしても心配になります。
短期的な下落に直面すると
「今すぐ売って、損失を止めよう」
という気持ちが強くなります。
この心理は、いわゆる「損失回避バイアス」と呼ばれ、人間は利益よりも損失を避けたいという傾向が強いからです。
しかし、長期的な視点を持たずに焦って行動すると、結果的に大きなチャンスを逃してしまうことがあります。
メンタルを安定させるための考え方
資産運用を成功させるためには、メンタル面の安定がとても重要です。
不安に感じるときでも、冷静な判断をするためのいくつかの考え方を取り入れると良いでしょう。
- 長期目線を持つ
短期的な値動きに惑わされないように、資産運用は「長期的な目標」に基づいて行うことが大切です。
株価は短期的には上下しますが、長期的には経済全体の成長に伴って回復することが多いです。
たとえば、過去のデータを見ると、長期的に保有している株式や投資信託は、途中での下落があっても最終的に回復している例が多くあります。
将来的な利益を見据え、短期間の下落に対して冷静に構えることが大切です。 - 感情に左右されないためのルールを作る
感情的な判断を避けるためには、自分なりのルールを作ることが有効です。
たとえば、
「5年間は売らない」
「損失が〇%を超えたらリバランスを検討する」
など、事前に決めたルールに従って行動することで、感情に振り回されずに運用を続けられます。
こうしたルールを守ることで、不安になった時でも冷静に行動できるようになります。 - リスク許容度に合った投資をする
自分がどれくらいのリスクに耐えられるかを理解することも、メンタルの安定には欠かせません。
リスクの高い商品に全ての資金を投じると、大きな下落があったときに精神的に大きな負担がかかります。
逆に、リスクが低い投資商品だけでは大きなリターンが期待できないかもしれません。
自分の性格やライフスタイルに合ったリスク許容度を把握し、その範囲内で投資することで、不安感を和らげることができます。
感情に左右されない投資のコツ
- 定期的な積立投資
感情に左右されにくくするために、定期的な積立投資(ドルコスト平均法)を行うのは非常に有効です。
毎月一定額を投資することで、価格が高いときにも安いときにも投資を続けることができ、平均的な購入価格を実現します。
これにより、株価の上下に対する心配が軽減され、長期的な成長を目指しやすくなります。 - 情報の過剰摂取を避ける
市場のニュースや経済情報を過剰に追いかけると、どうしても不安感が強くなります。
特に、ネガティブなニュースに注目しすぎると、判断が感情的になりやすいです。
情報を得ることは大切ですが、必要以上にチェックせず、決められたタイミングで状況を確認するようにすると、心の平静を保つことができます。
メンタル面での不安を抑えるためには、冷静な視点を持ち、感情に左右されない投資を行うことがカギです。
長期的な目標を立て、自分なりのルールを作り、安心して続けられる運用方法を選ぶことで、不安に負けずに資産運用を成功させることができます。
まとめ:継続するために必要な心構え
資産運用を成功させるためには、何よりも「継続すること」が大切です。
投資の世界では、長期的に資産を成長させるためには時間が必要です。
短期間で大きな成果を期待すると、その分リスクも大きくなりますし、感情的になってしまうこともあります。
そこで、冷静な判断力と長期的な視点を持つための「マインドセット」が重要になります。
1. 冷静な判断力を持つ
資産運用において、冷静に判断することは非常に大切です。
特に、初心者の方は市場の変動に敏感になりがちですが、日々の株価の上下に一喜一憂する必要はありません。
投資は、時間をかけて成果を上げるものですから、短期的な変動に惑わされない心の準備が必要です。
冷静な判断力を保つためのコツとして、事前に自分なりのルールを決めておくと良いでしょう。例えば、
「1年以内に利益が出なくても焦らない」
「大きなニュースがあっても自分のポートフォリオを急に変えない」
など、自分で冷静さを保つための仕組みを作ることが大切です。
2. 長期的な視点を持つ
資産運用は「マラソン」であり、決して「短距離走」ではありません。
長期的な視点を持つことで、短期的な損失にも耐えることができ、結果的に大きなリターンを得られる可能性が高まります。
過去の市場データを見ても、短期間での株価の変動は予測できませんが、長期的には経済の成長とともに市場も成長していることがわかります。
目標を立てる際には、10年や20年といった長いスパンでの運用計画を立てることが有効です。
将来に向けてどのくらいの資産を作りたいか、どのような目標があるのかを具体的に決め、それに向けてコツコツと投資を続けることで、短期的なリスクにも動じにくくなります。
3. 初心者が陥りやすいミスを避ける
初心者が陥りやすいミスの一つは、すぐに結果を求めすぎることです。
資産運用は、1年や2年ですぐに大きな利益を出すものではありません。
焦って早く結果を求めてしまうと、不必要なリスクを取ってしまい、逆に大きな損失を出す可能性があります。
運用を始める際は、焦らずに自分のペースで進めることが大切です。
また、他人のアドバイスや流行に流されることもよくあるミスです。
自分の目標やリスク許容度に合った投資方針をしっかりと持ち、周囲の情報に振り回されずに判断することが重要です。
資産運用を計画的に続けるためには、以下のポイントを意識すると良いでしょう。
- 目標を明確にする
資産運用の目的や達成したい金額、期間を具体的に設定することで、計画がぶれにくくなります。 - リスクを分散させる
一つの投資先に集中せず、複数の資産に分散して投資することで、リスクを抑えつつリターンを狙うことができます。 - 定期的に状況を確認する
ただし、毎日チェックする必要はありません。
1か月に1回や3か月に1回など、定期的に状況を見直して、必要に応じて資産配分を調整しましょう。 - 無理をしない
自分の生活に影響を与えるほどの金額を投資するのは避けましょう。
余裕を持った資金で運用を行うことで、メンタル面でも安定しやすくなります。
資産運用は、短期間での成功を目指すものではなく、時間をかけて資産を増やすための手段です。
冷静に判断し、長期的な目標を持ち、自分のペースで続けることが成功へのカギとなります。
初心者が陥りやすいミスを回避し、計画的に進めることで、安心して資産運用を続けることができるでしょう。