今は人生100年時代。あなたは老後の生活に向けて、資金計画を立てているでしょうか?
長い人生の中で、安心して豊かな老後を迎えるためには、計画的な資産形成が欠かせなくなっています。
この記事では、老後資金の重要性から具体的な貯蓄方法など、将来のためのアドバイスをわかりやすく解説します。
今からできることを始めていきましょう。

伊藤 貴徳
伊藤FPオフィス代表
【保有資格】
- 1級ファイナンシャル・プランニング技能士
- CFP®︎ CERTIFIED FINANCIAL PLANNER
- 宅地建物取引士
- 証券外務員1種
老後資金について
「老後資金」とは、私たちが仕事を引退した後、生活を支えるために必要なお金のことを指します。
老後を安心して過ごすためには、計画的にお金を準備しておくことがとても大切です。
なぜ老後資金が必要なの?

老後資金を準備する必要って、あるんですか?
人は誰でも年を取ります。そして、いつかは仕事を辞めて引退する時がやってきます。
しかし、仕事を辞めても生活費はかかります。食べ物、住む場所、医療費など、お金が必要です。
そのため、働いている間にお金を貯めておく必要があります。
若い時には元気で何でもできるかもしれませんが、老後には自分一人でできることが減ってくるかもしれません。



安心して生活できるようにするためのお金が老後資金です。
老後資金をどうやって準備するの?
1.貯蓄


まず、一番簡単なのは「貯金」です。
毎月少しずつお金を貯めていくことで、将来のための資金を用意できます。
2.投資


「投資」という方法もあります。
例えば、株や投資信託を買うことで、お金を増やすことができます。
ただし、投資にはリスクもありますので、しっかりと勉強してから始めることが大切です。
3.年金


「年金」も老後の重要な収入源です。
日本では、一定の年齢になると国から年金がもらえます。
これは、毎月一定額のお金をもらえる仕組みです。
ただし、年金だけでは生活が厳しい場合もあるので、貯金や投資で補う必要があります。
どれくらいのお金が必要?


老後資金を計画するにあたって、まずはどれくらいのお金が必要かを知ることが重要です。
自分の老後の生活をイメージし、そのためにどれだけの費用がかかるかを考えてみましょう。
生活費の計算
老後の生活費は、人それぞれの生活スタイルによって異なりますが、一般的には以下のような項目が含まれます。
- 食費: 毎日の食事にかかる費用です。外食が多いか、自炊が多いかによっても異なります。
- 住居費: 持ち家の場合は維持費、賃貸の場合は家賃がかかります。
- 光熱費: 電気代、水道代、ガス代などの費用です。
- 医療費: 年を取ると病院にかかる機会が増えます。健康保険があるとはいえ、自己負担分もあります。
- 交通費: 移動にかかる費用です。車を持っている場合はガソリン代や維持費も考慮しましょう。
- 娯楽費: 趣味や旅行にかかる費用も含めて考えます。
例えば、毎月の生活費が20万円だとすると、1年間で240万円、10年間で2400万円が必要になります。
老後の生活が20年続くと仮定すると、20年で4800万円が必要になる計算です。
生活防衛資金も考えよう
老後には予測できない出費も考えられます。
例えば、大きな病気やケガ、家の修理費用などです。
これらの予備費も計画に含めておくと安心です。一般的には、生活費の3〜6ヶ月分を生活防衛費として用意しておくと良いでしょう。
年金を活用する
日本では、65歳以上になると国から年金が支給されます。
年金は老後の生活費の一部を補う重要な収入源です。
自分がもらえる年金額を確認し、その額を老後資金の計画に組み込むことが大切です。
例えば
毎月の年金が10万円だとすると、1年間で120万円、20年間で2400万円がもらえる計算です。
生活費が毎月20万円の老後生活が20年続くと仮定すると、20年間の生活費は4800万円。
向こう20年間の生活として考えた場合、20年間の生活費4800万円から年金2400万円を引いた2400万円が、自分で用意すべき老後資金となります。



老後に必要な資金は、生活費や予備費、年金をふまえて計算することが重要です。
老後資金のために積立貯金は必要?


老後資金を準備するための方法の一つに、積立貯金があります。
これは、毎月一定額を銀行に預けていく方法です。
積立貯金にはいくつかのメリットとデメリットがありますので、それぞれを見ていきましょう。
積立貯金のメリット
- 計画的にお金を貯められる
- 積立貯金は、毎月決まった額を貯金するので、お金を計画的に貯めることができます。
老後資金をコツコツと確実に準備することができます。
- 積立貯金は、毎月決まった額を貯金するので、お金を計画的に貯めることができます。
- リスクが少ない
- 銀行に預けるお金は、元本保証があります。
つまり、預けたお金が減ることはありません。
投資と比べてリスクが低く、安全にお金を貯められます。
- 銀行に預けるお金は、元本保証があります。
- 利息が付く
- 銀行に預けることで、少しですが利息が付きます。
これは、貯金額が増えることを意味します。
大きな利益は期待できませんが、確実に増えることが魅力です。
- 銀行に預けることで、少しですが利息が付きます。
- 簡単に始められる
- 積立貯金は、特別な知識や手続きが不要で、誰でも簡単に始めることができます。
銀行に行って口座を作り、積立を設定するだけです。
- 積立貯金は、特別な知識や手続きが不要で、誰でも簡単に始めることができます。
積立貯金のデメリット
- 利息が低い
- 積立貯金の利息は非常に低いです。
インフレ(物価の上昇)に対して、お金の価値が減ってしまうリスクがあります。
長期的に見て、お金の増え方が遅いのがデメリットです。
- 積立貯金の利息は非常に低いです。
- 急な出費には対応しにくい
- 積立貯金は、毎月一定額を貯めるので、急な出費が必要になったときに、すぐに多額の現金を引き出すのが難しい場合があります。
緊急用の資金は別に用意しておく必要があります。
- 積立貯金は、毎月一定額を貯めるので、急な出費が必要になったときに、すぐに多額の現金を引き出すのが難しい場合があります。
- インフレリスク
- 積立貯金の利息がインフレ率に追いつかない場合、実質的にお金の価値が減ってしまう可能性があります。
例えば、物価が2%上昇しているのに対して利息が1%しかつかない場合、実質的にはお金の価値が1%減っていることになります。
- 積立貯金の利息がインフレ率に追いつかない場合、実質的にお金の価値が減ってしまう可能性があります。
積立貯金は、安全に計画的にお金を貯める方法として有効です。
しかし、利息が低いことや急な出費に対応しにくい点など、デメリットも理解しておくことが大切です。



積立貯金以外の方法も組み合わせて、自分に合った計画を立てることが重要です!
老後資金のために投資は必要?
老後資金を準備するための方法として、投資による資産形成があります。
ここでは、株式投資、投資信託、NISAなどの基本についてわかりやすく説明します。
株式投資とは?
株式投資は、企業の株を買うことで、その企業の一部を持つことです。
株を持っていると、企業が利益を出したときに配当金をもらえたり、株価が上がったときに売って利益を得ることができます。
- メリット: 高いリターンが期待できることがあります。また、企業の成長を直接応援することができます。
- デメリット: 株価は変動しやすく、値下がりすると元本割れ(最初に投資したお金が減ること)するリスクがあります。
投資信託とは?
投資信託は、複数の投資家から集めたお金を一つにまとめて、専門の運用会社が株式や債券などに投資する金融商品です。
これにより、一人では買えないような多くの銘柄に分散投資することができます。
- メリット: 分散投資によってリスクが減ります。また、専門家が運用してくれるので、自分で投資先を選ぶ手間が省けます。
- デメリット: 手数料がかかる場合があり、元本保証はありません。
新NISA(少額投資非課税制度)とは?
新NISAは、少額の投資に対して利益が非課税となる制度です。通常、投資で得た利益には税金がかかりますが、新NISAを利用すると一定額までは税金がかかりません。
- メリット: 利益が非課税になるので、手取りが増えます。初心者でも始めやすい制度です。
- デメリット: 非課税枠には上限があり、それを超える投資には通常の税金がかかります。
投資初心者には、まずはリスクの低い投資信託や新NISAから始めるのがおすすめです。
株式投資は、慣れてきたら挑戦してみると良いでしょう。
また、複数の投資方法を組み合わせることで、リスクを分散しながら資産を増やすことができます。
株式投資、投資信託、NISAは、それぞれに特徴があり、メリットとデメリットがあります。
自分のリスク許容度や投資目的に合わせて、どの方法が適しているかを考えましょう。
投資は長期的に続けることが重要ですので、焦らずに少しずつ学びながら進めていきましょう。
年金制度について


退職後の収入源の一つに「年金」があります。
年金制度をしっかり理解することで、老後の生活設計が立てやすくなります。
ここでは、日本の年金制度についてわかりやすく説明します。
年金制度とは?
年金制度は、働いている間に保険料を支払い、一定の年齢になるとその対価として年金を受け取る仕組みです。年金は、退職後の生活を支える大切な収入源となります。
公的年金の種類
日本の公的年金は、大きく分けて2種類あります。
- 国民年金
- 自営業者や学生、無職の人などが加入する年金です。
20歳から60歳までの間、毎月保険料を支払います。
支払った保険料に応じて、65歳から年金を受け取ることができます。
- 自営業者や学生、無職の人などが加入する年金です。
- 厚生年金
- 会社員や公務員が加入する年金です。
国民年金に加えて、厚生年金も支払うことになります。
会社員の場合、保険料の半分は会社が負担してくれます。
厚生年金も、65歳から受け取ることができます。
- 会社員や公務員が加入する年金です。
年金の受け取り方
年金は、65歳から受け取ることができますが、受け取り開始年齢を早めたり遅らせたりすることもできます。
- 早く受け取る: 60歳から64歳の間に年金を受け取り始めることができますが、その場合、毎月の年金額は減ります。
- 遅く受け取る: 66歳から70歳の間に受け取り始めると、毎月の年金額が増えます。
受け取り方を工夫することで、自分の生活スタイルに合った年金受け取りが可能です。
年金額を増やす方法
年金額を増やすためには、以下のような方法があります。
- 追納制度: 経済的な理由で過去に保険料を払えなかった期間がある場合、その分を後から支払うことで年金額を増やせます。
- 付加年金: 国民年金に加入している人が、月々400円を追加で支払うことで、将来の年金額を増やすことができます。
- 繰下げ受給:年金の繰下げ受給とは、通常65歳から受け取ることができる年金を、66歳以降に繰り下げて受給することです。
受給開始を遅らせることで、毎月の年金額が増加します。具体的には、1ヶ月繰り下げるごとに年金額が0.7%増えます。
年金制度は、老後の生活を支えるための大切な仕組みです。
自分がどの年金に加入しているか、将来どれくらいの年金がもらえるのかを把握し、計画的に準備することが大切です。
年金だけでなく、貯金や投資も組み合わせて、安心して老後を迎えるための準備をしていきましょう。
退職金の活用方法


退職後の収入源の一つとして「退職金」があります。
退職金は、長年の働きに対する報酬として支給される大切なお金です。
この退職金をどのように活用するかで、老後の生活が大きく変わります。
ここでは、退職金の活用方法についてわかりやすく説明します。
- 生活費として使う
- 退職後の生活費の一部として退職金を使うことができます。
特に年金が支給されるまでの間や、医療費など予測できない出費に備えておくと安心です。
- 退職後の生活費の一部として退職金を使うことができます。
- 貯金として確保する
- 退職金を一部または全部を貯金することで、急な出費に対応できます。
銀行の定期預金などに預けておくことで、少しずつ利息を得ることも可能です。
- 退職金を一部または全部を貯金することで、急な出費に対応できます。
- 投資に回す
- 退職金を投資に回すことで、お金を増やすことができます。
株式投資や投資信託、不動産投資などがありますが、リスクもあるため慎重に考える必要があります。
- 退職金を投資に回すことで、お金を増やすことができます。
- 返済に充てる
- 退職金を使って住宅ローンやその他の借金を返済することで、毎月の支出を減らし、経済的な負担を軽減することができます。
- 退職金を使って住宅ローンやその他の借金を返済することで、毎月の支出を減らし、経済的な負担を軽減することができます。
- 自己投資に使う
- 退職後の新たな趣味や学びのために使うことも一つの方法です。
例えば、新しいスキルを身につけるための学費や趣味に使うことで、充実した生活を送ることができます。
- 退職後の新たな趣味や学びのために使うことも一つの方法です。
無駄な支出を見直す方法


老後資金を効率よく貯めるためには、無駄な支出を見直すことが大切です。
日常生活で無意識に使っているお金を見直すことで、貯蓄を増やすことができます。
ここでは、無駄な支出を見直すための方法を紹介します。
1. 家計簿をつける
まずは、自分がどれだけのお金をどこに使っているのかを把握するために家計簿をつけてみましょう。
毎日の支出を記録することで、無駄な出費が見えてきます。
- ノートやアプリを活用: 家計簿をつけるには、手書きのノートやスマートフォンのアプリを使うと便利です。
- 支出をカテゴリー分けする: 食費、交通費、娯楽費など、支出をカテゴリーごとに分けることで、どの分野で無駄遣いが多いかを把握しやすくなります。
2. サブスクリプションの見直し
毎月自動で引き落とされるサブスクリプションサービス(動画配信サービス、音楽配信サービスなど)は、気づかないうちに無駄な支出になっていることがあります。
- 利用頻度を確認: サービスの利用頻度を確認し、あまり使っていないものは解約しましょう。
- 必要なサービスだけ残す: 本当に必要なサービスだけを残すことで、無駄な支出を減らすことができます。
3. クレジットカードの見直し
クレジットカードの利用も見直してみましょう。ポイント還元やキャッシュバックを上手に活用することで、節約につながります。
- 年会費を確認: 年会費がかかるカードを使っている場合、年会費無料のカードに切り替えることを検討しましょう。
- 特典を活用: クレジットカードの特典やポイントを上手に活用して、節約に役立てましょう。
4. 生活習慣を見直す
日常の生活習慣を見直すことで、無駄な支出を減らすことができます。
- 節電・節水: 不要な電気や水をこまめに消す、節水シャワーヘッドを使うなど、日常のちょっとした工夫で光熱費を節約できます。
- まとめ買いと計画的な買い物: 食材や日用品はまとめ買いをして、無駄な買い物を減らしましょう。
買い物リストを作ると、計画的に買い物ができます。
5. 固定費の見直し
固定費(家賃、保険料、通信費など)は、大きな支出の一部です。
これらを見直すことで、大きな節約効果が期待できます。
- 保険の見直し: 保険の内容を見直し、必要な保障だけにすることで、保険料を節約できます。
- 通信費の見直し: 携帯電話やインターネットのプランを見直し、安いプランに変更することで、通信費を節約できます。
無駄な支出を見直すことで、貯蓄を増やすことができます。
家計簿をつける、サブスクリプションやクレジットカードの見直し、生活習慣の見直し、固定費の見直しなど、さまざまな方法があります。
これらの方法を実践することで、無理なく節約し、老後資金をしっかりと準備していきましょう。
まとめ:定期的な計画の見直しを行おう


老後資金の計画は、一度立てたら終わりではありません。
生活環境や収入、支出が変わることがあるため、定期的に計画を見直し、修正することが必要です。
ここでは、定期的に計画を見直す重要性についてまとめます。
なぜ見直しが必要なのか?
- 生活環境の変化
- 家族構成の変化(結婚、出産、子供の独立など)
- 住居の変化(引っ越し、持ち家の購入、賃貸への変更など)
- 収入の変化
- 昇進や転職、退職などによる収入の増減
- パートや副業など、新しい収入源の確保
- 支出の変化
- 日常生活の支出増加(子供の教育費、医療費、趣味など)
- 新しい支出項目の発生(ローンの返済、家電の購入など)
計画見直しのポイント
- 現在の資産状況を把握する
- 銀行口座の残高、投資の評価額、不動産の価値など、現在の資産状況を確認しましょう。
- 銀行口座の残高、投資の評価額、不動産の価値など、現在の資産状況を確認しましょう。
- 収入と支出の見直し
- 毎月の収入と支出を再確認し、予算を見直します。無駄な支出がないか、節約できる部分がないかをチェックします。
- 毎月の収入と支出を再確認し、予算を見直します。無駄な支出がないか、節約できる部分がないかをチェックします。
- 老後の生活費を再計算する
- 将来の生活費がどれくらい必要かを再計算し、目標金額を確認します。インフレや医療費の増加も考慮しましょう。
- 将来の生活費がどれくらい必要かを再計算し、目標金額を確認します。インフレや医療費の増加も考慮しましょう。
- 貯蓄と投資の見直し
- 現在の貯蓄方法や投資戦略が目標に合っているかを確認し、必要ならば修正します。リスクとリターンのバランスを見直すことも大切です。
見直しのタイミング
計画の見直しは、以下のようなタイミングで行うと良いでしょう。
- 年に一度の定期見直し
- 毎年一度、家族で計画を見直す習慣をつけると良いでしょう。年末や年度初めが適しています。
- 毎年一度、家族で計画を見直す習慣をつけると良いでしょう。年末や年度初めが適しています。
- ライフイベントの際
- 結婚、出産、転職、引っ越しなど、大きなライフイベントがあったときに見直しを行います。
- 結婚、出産、転職、引っ越しなど、大きなライフイベントがあったときに見直しを行います。
- 収入や支出の大きな変化があったとき
- 昇進やボーナス、医療費の急増など、収入や支出に大きな変化があったときに計画を見直します。
老後資金の計画は、定期的に見直し、修正することで、変化する生活環境や経済状況に対応できます。
計画を見直すことで、目標達成に向けた最適な方法を常に把握し、安心して老後を迎える準備を進めることができます。
家族と一緒に計画を見直し、共有することで、より効果的な資産形成を実現しましょう。